[2019年06月07日]

音楽漂ふ岸侵しゆく蛇の飢

赤尾兜子(1925~81)

蛇が夏の季語。くちなは、ながむし、青大将、山かがしなども同意の季語です。
この句は、前衛俳句の旗手と呼ばれた作者の代表句。音楽に浮かれ騒いでいる岸の人々と、水辺から侵入し危害を加える飢えた蛇。作者は、自ら解説して「この音楽を、日本を離れた東南アジアのどこかの国のものと解されても作者は満足する。」と述べています。平和な日本には無縁な話とは言えず、危機管理に不備な日本を指摘しているのかもしれません。不安感と飢餓感にさいなまれる強迫観念を形に表したものと言えますね。常識で片付けられる日常生活の見直しをはかり、真の人生を表現するための思考の解放、想像力の復権、夢や狂気の再検討を促す面白い試みと納得しました。
この句が所収されている句集「蛇」の刊行は、1959(昭和34)年。
作者あかお・とうしの紹介は、2005年10月24日を参照。
(出典:阿部誠文著「輝ける俳人たち」、邑書林、1996年刊)
・前線や低気圧の影響で、大気の状態が不安定になり、西日本では局地的に非常に激しい雨が降っています。特に山口県や広島県では一部に避難勧告の出た地域があり、今後の大雨の動きが心配です。

投稿者 m-staff : 2019年06月07日 09:31

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