[2019年07月13日]

顔入れて顔ずたずたや青薄

草間時彦(1920~2003)

青薄が夏の季語。芒茂る、青萱、萱茂るなども同意の季語です。
薄は、秋の山野を代表する草の一つですが、夏の日盛りの中で、その光の当たる青々と茂っている薄を言います。春になって、芽が出た薄は、夏になると葉が1メートルから2メートルにまで成長し、風になびいて涼しく感じます。薄は、イネ科の大形多年草ですが、青薄のうちは花穂が出ません。野原一面に草むらをなして、萱などと同じく、屋根を葺くのに用いられました。
作者は、薄の野原に入り込んで、薄の葉で顔を傷つけてしまったと詠っています。ちょっと痛々しいけれども、その光景が浮かんできますね。
作者くさま・ときひこの紹介は、2005年7月11日を参照。
(出典:石 寒太著「よくわかる俳句歳時記」、ナツメ社、2010年刊)
・昨晩テレビで、凄い試合を見ました。大阪で行われたWBAミドル級世界戦で、昨年10月に敗れた相手との再戦で、村田諒太選手がTKO勝ちで王座を奪還しました。ボクシングの重量クラスは迫力がありますね。負ければ引退の覚悟で練習を積み重ねて素晴らしいファイトを見せてくれました。しばらくはこの勢いが続きそうです。

投稿者 m-staff : 2019年07月13日 10:13

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