[2019年09月03日]

鈴虫の彼岸にて鳴く夜もありき

福永武彦(1918~79)

鈴虫が秋の季語。月鈴子(げつれいし)も同意の季語です。
鈴虫は、蟋蟀に近い種類で、黒く西瓜の種に似ています。リーンリーンと鈴をふるように鳴く姿が人々に親しまれていますね。
作者は、7年間にわたる清瀬療養所時代から、現実を死者の眼から見るようになり、魂の真実を小説に描きました。俳句もまた、同じ方法で、彼岸即ちあの世にて鈴虫の声を聴いているという設定となっています。
この句の作者との出会いは、河出書房発行の「文芸」で連載した「死の島」で、世田谷のご自宅へ原稿をいただきに通いました。いつもシベリウスの楽曲をかけていたのが印象的でした。
作者ふくなが・たけひこは、小説家、福岡県の生まれ。東大仏文科卒。小説「風土」「草の花」「死の島」など。評論「ゴーギャンの世界」など。息子は、小説家・池澤夏樹 。
(出典:村上 護著「今朝の一句」、講談社、1995年刊)
・香港が中国に返還されてから22年目。どのようにして混乱を収拾させるか予断を許しませんね。「ドリアン」という名前の大型ハリケーンがフロリダ州へ向かっています。中心気圧は938ヘクトパスカル、最大風速は67メートル。100万人以上に避難命令が出ています。これは逃げるしかありませんね。

投稿者 m-staff : 2019年09月03日 09:30

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