[2019年12月29日]

年行くや耳掻き光る硯箱

前田普羅(1884~1954)

年行くが冬の季語。行く年、年逝く、流るる年、年歩む、去ぬる年、年送る、暮れ行く年なども同意の季語です。
年行くには、1年の歳月を惜しみつつどこかで振り返る気持ちがありますね。過ごしてきた1年への歩みと愛惜の気持ちが込められています。過行く季節を心より惜しむ季語には、行く春、春惜しむ、三月尽、行く秋、九月尽などがあります。
この句では、とりとめもなく年が暮れて行くときに、ふと見れば日常使っている硯箱の中の耳掻きが一瞬光って見える、と詠っています。時の流れから見ている作者の心情が垣間見えますね。
作者まえだ・ふらの紹介は、2005年2月5日を参照。
(出典:角川春樹著「合本俳句歳時記」、角川春樹事務所、1998年刊)
・令和元年は台風の多い年でした。平年の倍近い5つの台風が上陸し、このうち15号と19号は関東付近に上陸した台風としてはこの30年間で最強のクラスで各地にかなりの被害をもたらしました。台風が強くなっているのは温暖化の影響で、来年以降も激甚な災害の可能性があります。防災対策に頭を悩ませる年がづづきますね。

投稿者 m-staff : 2019年12月29日 09:28

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