[2020年03月11日]

来し方に悔いなき青を踏みにけり

安住 敦(1907~88)

青を踏むが春の季語。踏青、青き踏むも同意の季語です。
この季語は、中国の古くからの行事から伝わったもので、旧暦の3月3日ごろと言われていますが、その時期は中国でもまちまちで一様ではありません。春になって草萌えのころ、戸外に出てその青々とした草の上で愉しく過ごすことで、わが国の花見と同じように、始めはその年の吉凶を占ったことによります。
この句では、今まで寒さのために、屋内にこもっていた人々が青々とした草の芽を踏むことによって、自然の中にひたって生きていることの喜びを詠っています。例え過去に困ったことがあっても、悔いなぞ持たずに、前を向いて歩こうと気持ちを引き締めていますね。
作者あずみ・あつしの紹介は、2005年2月28日を参照。
(出典:角川春樹著「合本俳句歳時記」、角川春樹事務所、1998年刊)
・今日は、9年目の東日本大震災の日。いまだ4万8000人近くの人が避難生活を強いられています。災害公営住宅の建設など住まいの復興事業がほぼ完了しても震災前と比べて人口が減少し、暮らし向きや地域のつながりについて「復興した」という実感は乏しいままのようです。

投稿者 m-staff : 2020年03月11日 10:04

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