[2020年06月12日]
睡蓮の水に二時の日三時の日
後藤比奈夫(1917~2020)
睡蓮が夏の季語。未草(ひつじぐさ)も同意の季語です。
作者の後藤比奈夫は、6月5日に老衰で亡くなりました。103歳。合掌。客観写生の方法に物理学の理論なども導入して新境地を展開しました。父は俳人の後藤夜半。
睡蓮は、池や沼に自生するスイレン科の多年草。切れ込みのある丸い葉とともに10~30センチの花を水面に開きます。花の色は、淡い紅色、白、黄色などが見られますね。睡蓮は漢名、和名の未草は日本の野生種で、未の刻(午後2時)に開花することからつけられ、夕方には閉じるところから来ています。この句では、睡蓮の開く時間は、二時の日、三時の日とその日によって違うと表現しています。睡蓮は、静謐な雰囲気と清楚な印象が強い花ですね。
作者ごとう・ひなおの紹介は、2005年3月23日を参照。
(出典:平井照敏編「現代の俳句」、講談社学術文庫、1993年刊)
・11日のニューヨーク株式市場は、1860ドルの下落、12日の東京市場は600円以上の下落。これは景気の先行き不安と感染拡大に対する懸念から来ています。投資家にとっては、神経の休まらない日々が続きますね。
投稿者 m-staff : 2020年06月12日 09:24
トラックバック
このエントリーのトラックバックURL:
http://yasumasa.jp/nmt/mt-tb.cgi/7297