[2020年09月03日]
谷底に日ざし戻らぬきりぎりす
上田五千石(1933~97)
きりぎりす(螽斯)が秋の季語。機織(はたおり)、機織女、ぎすなども同意の季語です。
キリギリス科の昆虫で体長は蝗より大きく3.5センチほど。褐色、または緑色。暑い昼下がりの草むらの中でギィース・チョン、しばらく間をおいてギィース・チョンと鳴いています。その声が筬(おさ)を打つ音に似ているので、古くから機織、機織女などと呼ばれています。兜虫と同様に子どもたちの人気者で虫かごの中でよく飼われていましたね。
この句では、その螽斯が日差しの当たらない谷底で悲しげに鳴いている、と詠っています。ちょっぴり寂しい信州の一風景です。
作者うえだ・ごせんごくの紹介は、2005年1月9日を参照。
(出典:角川春樹編「合本 現代俳句歳時記」、角川春樹事務所、2004年刊)
・台風9号、10号と矢継ぎ早に日本を襲ってきます。特に10号は甚大な影響が出る恐れがあり、気象庁は「特別警報」を発表する可能性があるとしています。十分な備えが必要ですね。
投稿者 m-staff : 2020年09月03日 09:32
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