[2020年09月05日]

芭蕉破れて石に日当る秋となり

篠原温亭(1872~1926)

芭蕉破れてが秋の季語。破芭蕉、芭蕉の破葉、芭蕉破るるなども同意の季語です。
秋になって美しさを保っていた芭蕉の葉も、風や雨に打たれると葉脈に沿って裂け、風にひるがえる様子は寂しく哀れに見えますね。その脆さ、わびしさは、何か人の世の流れを表現していて古くから様々に詠まれてきました。「芭蕉」を秋と考えるようになったのも、「破芭蕉」をその本当の意味としたからでしょうね。
この句では、秋になって庭石に日が当たるようになるとそれに合わせて芭蕉の破(や)れているのが目につくようになった、と詠っています。
作者しのはら・おんていの紹介は、2007年3月15日を参照。
(出典:島田青峰編「温亭句集」、民友社、1927年刊)
・非常に強い台風10号の動向が気になります。瞬間最大風速が85メートルと聞いても、どのような状況なのか想像するだに恐ろしいことです。被害がないように神様に祈るしか方法が見つかりませんね。

投稿者 m-staff : 2020年09月05日 09:38

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