[2020年10月08日]
蚯蚓鳴くかなしき錯誤もちつづけ
山口青邨(1892~1988)
蚯蚓(みみず)鳴くが秋の季語。歌女(かじょ)鳴くも同意の季語です。
蚯蚓には発声器官がないので鳴きません。夜に地中でジーと鳴いている何かわからない虫を、蚯蚓鳴くと言ったようで、実際は螻蛄(けら)のことだと言われています。中国では歌女鳴くといわれています。解剖しても発生装置は認められず、科学的にも鳴かぬことが証明されています。俳句では「亀鳴く」「蓑虫鳴く」などと同様、空想的、浪漫的な表現として認識されています。
この句では、鳴かぬ蚯蚓をまるで鳴いているように錯覚する人の感性を面白がっていますね。
今日は、寒露。冷寒次第につのり、霜とならんとするゆゑ、寒露と名づくとされています。
作者やまぐち・せいそんの紹介は、2005年3月13日を参照。
(出典:角川春樹編「合本 現代俳句歳時記」、角川春樹事務所、2004年刊)
・台風14号が南の海上を北上中。秋雨前線の活動が活発になって大雨になる恐れがあり、注意が必要です。MLBのプレーオフで、ヤンキースの田中投手がレイズ相手に苦戦しています。今年の田中は元気がありませんね。
投稿者 m-staff : 2020年10月08日 09:36
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