[2020年10月23日]
うそ寒の駅吐かれ出づ旅ひとり
石塚友二(1906~86)
うそ寒が秋の季語。やや寒、やや寒し、秋寒なども同意の季語です。
晩秋になるとじっとしていても寒さを感じられるようになりますね。我慢のできない寒さではありませんが、身体にまといつくような寒さです。やがて来る冬にとりとめのない不安を感じるような季節でもあります。古今集の藤原基俊に次の歌があります。
秋風のやや肌寒く吹くなべに荻の上葉の音ぞかなしき
この句では、一人で旅に出て、着いた駅から吐き出されるように下車して、はっきりと寒さを感じている、作者のうら悲しさを表現しています。
作者いしづか・ともじの紹介は、2005年10月9日を参照。
(出典:角川春樹編「合本 現代俳句歳時記」、角川春樹事務所、2004年刊)
・今日の見ものは、アメリカ大統領選挙の最後の直接対決、テレビ討論会が午前中に行われます。トランプ氏バイデン氏か、9月29日の第1回は史上最低の討論会でした。さて、今回はどうでしょうか。個人攻撃になりそうで、政策論争はあまり期待できませんね。
投稿者 m-staff : 2020年10月23日 09:32
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