[2021年03月30日]

曳き上ぐる木に陽炎や木場の堀

内藤鳴雪(1847~1926)

陽炎(かげろう)が春の季語。陽炎燃ゆる、糸遊、遊糸、野馬、かぎろひなども同意の季語です。
春の日、強い日差しのために空気の密度分布に異常が起こり、ゆらゆらと物の形が揺らいで見える現象をいいます。この陽炎が盛んな時には炎のように燃えて見えますね。この現象は特に春に多く見られます。
この句の「木場」は、材木の多く集まっている地域で、特に江戸深川の木場は、元禄年間、幕府の許可を得て材木市場を開いたのに始まって、材木問屋が多く集まっていました。1974~76年に大部分が南東の新木場に移りました。
ここでは、材木を水に漬かせた堀から曳き揚げるときに、陽炎が燃えている、と詠っています。
作者ないとう・めいせつの紹介は、2007年1月1日を参照。
(出典:角川書店編「合本 俳句歳時記第三版」、角川書店、2003年刊)
・スエズ運河が運航を再開しました。エジプトのスエズ運河で今月23日に座礁した大型のコンテナ船が日本時間の30日午前1時に離礁に成功して運航を再開させました。通常の状態に戻るのは4日ほどかかるそうです。スエズ運河はアジアとヨーロッパを結ぶ海上交通の要衝で、運航の再開で懸念されていた物流の停滞はこれで解消されますね。

投稿者 m-staff : 2021年03月30日 09:50

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