[2021年04月21日]

城を出て町の燕となりゆけり

上田五千石(1933~97)

燕が春の季語。乙鳥、現鳥、朝燕、夕燕、燕来る、初燕、飛燕、つばくろ、つばくら、つばくらめなども同意の季語です。
今年も、近くのクリーニング店の軒先に燕が巣作りをしています。ツバメ科。4月に飛来して家の軒先などに巣を作って産卵子育てをして、秋には南方へ去ります。その姿は燕尾が特徴。燕尾は雄が長く、雌はやや短くなっています。電線などに何羽も止まっている光景も、地をかすめて飛び交う姿も軽やかで春らしい情景ですね。
この句では、江戸時代の封建社会の階級、士農工商を不意に思い出しました。城を出て、武士の時代も終わり、町に出て商人になった武士の姿が思い浮かびます。
作者うえだ・ごせんごくの紹介は、2005年1月19日を参照。
(出典:角川書店編「合本 俳句歳時記第三版」、角川書店、2003年刊)
・去年、アメリカで人種差別への抗議活動が広がるきっかけとなった黒人のジョージ・フロイドさんが死亡した事件で、ミネソタ州の裁判所の陪審員は20日、殺人などの罪に問われていた元警察官に有罪の評決をしました。オバマ元大統領は、「今日の評決は前進に向けての第一歩。刑事司法制度の人種的な偏見を減らし、最終的にはなくすための具体的な改革を続けてゆかなければならない」と表明しました。
「ブラック・ライブズ・マター(黒人の命を軽くみるな)」。

投稿者 m-staff : 2021年04月21日 09:41

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