[2021年05月19日]
卯の花や日暮れておろす鳥の籠
川崎展宏(1927~2009)
卯の花が夏の季語。空木の花、花卯木、梅花うつぎ、姫うつぎなども同意の季語です。
5枚の白い花弁を持った小さな卯の花が雪のようにかたまって咲く様子はとても清楚な感じがしますね。ユキノシタ科の落葉低木。卯木は高さが2メートルほどで、全国の山野に自生しています。万葉集にも登場し、古くから庭や垣根などに植えられています。5月から6月にかけて枝の先に白い五弁花が集まって開きます。陰暦の卯月に咲くところから卯の花と呼ばれています。幹が中空なので空木とも呼ばれています。
この句では、卯の花が咲いている時刻に、日暮れに忘れていた鳥籠をしまうというただそれだけのことなのに、どのような鳥が入っているのか想像力をかきたてられます。
作者かわさき・てんこうの紹介は、2006年2月21日を参照。
(出典:青柳志解樹編著「俳句の花 上巻」、創元社、2004年刊)
・俳優の田村正和が4月3日に心不全で亡くなっていました。享年77歳。「古畑任三郎」「眠狂四郎」などテレビドラマの世界で記憶に残る作品を数多く生み出しました。自分のライフスタイルをきちんと持った役者でした。あの顔、あの声、忘れられませんね。合掌。
投稿者 m-staff : 2021年05月19日 09:35
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