[2021年06月05日]
鳥海はもとより見えず紅の花
森田 峠(1924~2013)
紅の花が夏の季語。紅花、紅藍花、紅粉花、末摘花なども同意の季語です。
キク科の2年草。原産地はエジプト。高さは1メートルほど。6月ごろに紅黄色の花を開き、花はだんだんと赤くなり、葉の淵にはとげがあり、花、葉ともにアザミに似ていますね。古くは染料に利用されましたが、現在では切り花用のほかに、紅花油で知られているように油を取るために栽培されていて、我が家では紅花油の入ったマーガリンを利用しています。また、山形県の郷土の花になっています。末摘花は、「源氏物語」に取り上げられ、優雅な響きがよく、色合いもゆかしいものですね。
この句の「鳥海」は、鳥海山のこと。秋田、山形県境に位置する火山。
標高は2236メートル。出羽富士とも呼ばれています。この句では、紅の花が咲いている最上川から見て、今日も曇って鳥海山が見えない、と詠っています。
今日は、芒種(ぼうしゅ)。芒(のぎ)のある穀物をまく時期の意味。
作者もりた・とうげの紹介は、2006年1月19日を参照。
(出典:角川春樹編「合本 現代俳句歳時記」、角川春樹事務所、2004年刊)
・新型コロナウイルスの国産のワクチン開発について、国は日本医療研究開発機構を通じて昨年度16の研究テーマに対して支援をしています。このうち、最終段階の臨床試験に入っているDNAを使った新しいタイプのワクチンについて、企業と共同研究を行っている阪大大学院の森下教授のグループは、初期段階の試験結果を公表して、免疫の働きや安全性が確認されたとしています。実用化には道半ばですね。
投稿者 m-staff : 2021年06月05日 09:20
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