[2021年06月23日]

昼寝の足の裏が見えてゐる訪ふ

尾崎放哉(1885~1926)

昼寝が夏の季語。午睡(ごすい)、三尺寝、昼寝覚、昼寝人なども同意の季語です。
夏の暑い日の昼寝は格別な楽しみですね。夏は暑さのために、食欲不振や睡眠不足を起こしやすく、それらが重なって体の疲労が激しくなることがあります。昼寝はその疲労回復の最も手軽な方法。昼寝が夏の季語になっているのも、疲労の激しくなる夏場に、肉体が自ずから要求する行為。三尺寝とは職人が仕事場で許された短時間の昼寝を指しています。
この句では、何か用事があってよその家を訪問した時に、足の裏を見せて昼寝をしているところに出会いました。自然の涼しさの中で昼寝をするのが一番ですね。訪ふは、おとなうと読みますね。
今日は、沖縄慰霊の日。1945年4月、アメリカ軍は沖縄本島に上陸、日本軍は抗戦の末6月23日に全滅、約12万人。住民約20万人が死亡しました。
作者おざき・ほうさいの紹介は、2005年1月28日を参照。
(出典:石 寒太編「よくわかる俳句歳時記」、ナツメ社、2010年刊)
・今年4月30日に、作家・ジャーナリストの立花 隆氏が急性冠症候群のために逝去していたことが、今日発表されました。彼の扱ったノンフィクションの世界では、テーマも政治だけでなく、最先端の科学や医療、宇宙や脳死など様々な分野にわたり「知の巨人」と呼ばれました。平成19年にはがんにかかっていることを公表していました。
私の尊敬する作家でした。合掌。

投稿者 m-staff : 2021年06月23日 09:05

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