[2021年07月18日]

蝉しぐれ木椅子のどこか朽ちはじむ

黒田杏子

蝉しぐれ(時雨)が夏の季語。蝉、油蝉、みんみん、熊蝉、にいにい蝉、初蝉、朝蝉、夕蝉、夜蝉なども同意の季語です。
蝉が鳴き初めました。梅雨明けは16日、めっきり暑くなりました。蝉はセミ科の昆虫の総称。毎年、初夏になると初蝉を聞きます。梅雨明けと同時に、一斉にいろいろな蝉の声が聞こえてきますね。ジイジイと鳴く油蝉、ミーンミーンと鳴くみんみん蝉、シャーシャーは熊蝉など様々です。蝉の降るような声を「蝉時雨」といいます。日中の声はうるさく感じますが、朝夕聞く声は涼しく思えます。
不思議な蝉の話を読みました。吉村 仁著「素数ゼミの謎」(文藝春秋、2005年刊)。アメリカの一地方では局地的に13年、17年周期で蝉が大発生しています。
この句では、蝉しぐれの中で、年月が経って風化してきた木椅子が少しずつ朽ちてきたように感じる、と詠っています。
作者くろだ・ももこの紹介は、2006年1月7日を参照。
(出典:「蝸牛 新季寄せ」、蝸牛社、1995年刊)
・日本は、五輪の開催とコロナ禍というこれまでに経験したことのないか環境に置かれています。19日からは、競技会場が集中する都内やその周辺では大規模な交通規制が始まります。範囲は東京都、千葉県、埼玉県、それに神奈川県。いずれにしろ外出をひかえて大嵐の過ぎるのを待つしかありませんね。

投稿者 m-staff : 2021年07月18日 10:12

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