[2021年08月17日]

鶏たちにカンナは見えぬかもしれぬ

渡辺白泉(1913~69)

カンナが秋の季語。花カンナ、壇特(だんとく)の花も同意の季語です。
鮮やかでエネルギッシュな花の色が特徴。なかでも燃えるような紅色が最もこの花にふさわしいと思います。カンナ科の多年草。江戸時代に熱帯地方から渡来した壇特は原種で、公園や道路添いに植えられています。高さは1~2メートル。花期は長く7月から11月ごろまで咲いていて、花の色は、濃紅、赤、橙黄、黄色などが見られます。現在多く栽培されている耐寒性のカンナは熱帯性の原種から改良されたものです。
この句の作者は、戦前俳句事件で検挙されました。それもあって鶏を官憲と見たのはうがちすぎでしょうか。もちろん、カンナは真っ当な人間存在を表しています。
作者わたなべ・はくせんの紹介は、2005年10月31日を参照。
(出典:「新版・俳句歳時記第二版」、雄山閣、2003年刊)
・今日は、田中靖政先生の命日。お亡くなりになったのは2006年8月17日。早いものでもう15年も経ってしまいました。出棺のときの蝉時雨を思い出します。合掌。

投稿者 m-staff : 2021年08月17日 09:01

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