[2021年08月24日]
盛塩の露にとけゆく夜ごろかな
永井荷風(1879~1959)
露が秋の季語。白露、朝露、夜露、露の玉、露けし、露時雨、露葎
芋の露なども同意の季語です。
露は、夜半に空気中の水蒸気が、冷えた草木や岩石などに触れて水滴となったもの。秋にもっと多いので秋の季語になっています。
この句の「盛塩」は、料理店、飲食店など、客の万来を願って門口に塩を小さく盛ることをいいます。「夜ごろ」とは幾余夜、数夜の意味。この句では、店を開けるときに門口にしていた盛塩が、時間がたって崩れた状態にあります。夜も深まって露のために塩が解けています。
その様子は幾晩も続いていて、夜が更けるにしたがって盛り上がってゆく夜の世界を見つめています。
今日からパラリンピック東京大会、9月5日まで。
作者ながい・かふうの紹介は、2005年1月8日を参照。
(出典:関森勝夫著「文人たちの句境」、中公新書、1991年刊)
・昨日はインターネットで実況中継の「バーチャル高校野球」を見ました。やっていたのは「第25回全国高校女子野球大会決勝戦。神戸弘陵学園対高知中央高校。硬式のボールを使用して男子と同じにプレイをします。それが実に基本にかなっていて感心しました。試合進行は女子ソフトボールに似通っていましたね。
投稿者 m-staff : 2021年08月24日 10:04
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