[2021年11月12日]

人参の村は地中も夕焼し

大串 章 

人参が冬の季語。
人参は好きな野菜の一つです。セリ科の越年草。ヨーロッパが原産で日本には江戸時代に、中国を経由して渡来しました。根を食用としますが、黄赤色の根には香りと甘みがあって、カロチンが含まれています。夏には花茎を伸ばして白い花を傘のように咲かせます。夏にまいて冬に収穫し、滝野川人参、金時人参、国府人参、三寸人参などがよく知られています。
この句の作者は、佐賀県の出身ですが、故郷の村は人参の産地で、夕焼けは地中まで照らしている、と詠っています。
作者おおぐし・あきらの紹介は、2006年10月3日を参照。
(出典:「蝸牛 新季寄せ」、蝸牛社、1995年刊)
・作家で僧侶の瀬戸内寂聴さんが9日に99歳で亡くなりました。瀬戸内さんとはまだ晴美といっていたころ仕事でご一緒しました。1967年、瀬戸内さんは、河出書房発行の「文芸」で「鬼の栖」を連載しており、あるとき市ヶ谷の大日本印刷出張校正室に和服で駆けつけ、椅子座るときの所作に迫力がありました。どうぞ安らかにお眠りください。合掌。

投稿者 m-staff : 2021年11月12日 09:15

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