[2021年11月21日]

三代の栄華を問へば落葉舞ふ

佐藤春夫(1892~1964)

落葉舞ふが冬の季語。落葉(おちば、らくよう)、落葉風、落葉雨、落葉時雨、落葉搔、落葉籠、落葉掃く、落葉時なども同意の季語です。
紅葉した落葉樹は秋から冬にかけて葉を落とします。落葉は、すでに落ちた葉と枝を離れて散ってゆく葉の両方に使われます。美しく散り敷いた落葉もすっかり枯れて風に吹かれている様子は、寂しさとともに冬の訪れを実感します。
この句の前書きに「平泉」とあります。平泉は、岩手県の北上川と衣川に限られた町。藤原氏三代にわたって栄えました。今も中尊寺には光堂と経蔵などが残っています。「三代の栄華」とは、藤原清衡、基衡、秀衡の繁栄したことを指しています。源義経をかくまったことで頼朝に滅ぼされました。作者が平泉の地を訪ねたところ、栄華のさまを実感させるものはすでになく、折から落葉が待っているだけだったとわびしい様子を詠っています。
今日は、二の酉。
作者さとう・はるおは、詩人、小説家、歌人。和歌山県生まれ。与謝野馨、永井荷風に師事。「殉情詩集」など古典的な抒情詩で知られ、後に小説に転じ、幻想的、耽美的な作風を開きました。小説「田園の憂鬱」「都会の憂鬱」「晶子曼荼羅」などが知られています。
(出典:関森勝夫著「文人たちの句境」、中公新書、1991年刊)
・日本シリーズのオリックス対ヤクルトの初戦は面白い試合でしたね。お互いに似通ったチームですから誰が勝負の鍵を握るか。どうも見ていると助っ人の外人がキーマンになると思います。このまま接戦が期待されます。

投稿者 m-staff : 2021年11月21日 09:39

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