[2021年12月02日]

日輪のがらんどうなり菊枯るる

橋本鶏二(1907~90)

菊枯るるが冬の季語。枯菊、菊枯るも同意の季語です。
秋に咲き誇っていた菊が冬になって枯れてしおれている様子をいいます。菊は枯れても花は散らず、茎や葉もしおれつつ、なお立ち尽くしている姿には、哀れさとともに、ある種の風情を感じます。枯れ切った菊を切って火にくべると、独特の香りが漂います。冬になっても咲き残っている菊を残菊といいますが、花期の長い菊は残菊から枯菊への緩やかな推移も趣がありますね。
この句の「がらんどう」とは、広々としてがらんとしている状態のこと。冬の太陽は、弱弱しく照っている中で、わびしくも菊が枯れている、と詠っています。
作者はしもと・けいじの紹介は、2010年9月21日を参照。
(出典:「日本大歳時記」、講談社、1981年刊)
・新しい変異ウイルス、オミクロン株の感染は、日本を含め世界の26の国と地域で確認されているそうです。国土交通省は航空会社に日本に到着する国際線で新たな予約を停止するように要請。海外で暮らす日本人の中には年末の一時帰国を断念せざるを得ない人も多くいます。必要な措置としても大変な状況ですね。

投稿者 m-staff : 2021年12月02日 09:52

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