[2021年12月08日]

この蒲団幾度君を泊めにけり

荻原井泉水(1884~1976)

蒲団が冬の季語。掛蒲団、敷蒲団、羽蒲団、蒲団干す、背蒲団、肩蒲団なども同意の季語です。
蒲団は1年中使いますが、最も有難みを感じるのは寒さを防ぐために用いる時期ですので、俳句では冬の季語になっています。なかに詰める材質は綿が普通ですが、鳥の羽毛を詰めた「羽毛蒲団」が多く見られます。「背蒲団」は紐をつけて背中に当てます。蒲団は、座禅の時に敷物にする小型の円座で、蒲の葉を編んで作りました。これが布で作った方形の座蒲団になり、褥を経て長方形の敷布団になりました。
この句では、友達が宿泊するのに、せんべい蒲団を幾たびも使ったと詠っています。
作者おぎわら・せいせんすいの紹介は、2009年5月28日を参照。
(出典:平井照敏編「新歳時記」、河出書房新社、1989年刊)
・今日は、80回目の太平洋戦争開戦日。どのようなことがあってもあの大惨事を繰り返してなりませんね。ノンフィクション作家、梯
久美子著「昭和二十年夏、僕は兵士だった」(角川文庫、2011年刊)では、俳人・金子兜太、考古学者・大塚初重、俳優・三國連太郎、漫画家・水木しげる、建築家・池田武邦の五人にインタビューをして、太平洋戦争の最前線で戦った日々のこと、何もかも失った若者たちがどのようにして人生を立ち直ったかを聞き出し、深い感銘を与えてくれます。

投稿者 m-staff : 2021年12月08日 09:40

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