[2021年12月31日]
寂聴の切に生きよと冬紅葉
榊原風伯
冬紅葉が冬の季語。残る紅葉も同意の季語です。
紅葉の美しいのは晩秋ですが、冬になっても三浦半島では紅を止めているものを見かけます。例えば錦木もその一つ。低山のひだまりに生えている野生化したものが紅葉しているのは美しい姿です。何度か霜を受けた後、あたりが枯れ色を深める中で、空気が澄んでいて、紅葉はひときわ鮮やかです。
11月9日、寂聴さんが99歳で永眠しました。1966年、私が河出書房の「文藝」の編集をしていた時、「鬼の栖」を連載中、当時は瀬戸内晴美さんがよく大日本印刷の出張校正室に顔を見せていました。和服姿で颯爽としていたのを思い出します。寂聴さんは、「生きて生かされ、愛して愛され、書いて書かされ」、まことに素晴らしい人生でしたね。大往生です。正月は、齋藤愼爾著「寂聴伝」良夜玲瑯、白水社、2008年刊)を読んでおります。
この句は、冬紅葉の鮮明な赤と寂聴になってからよく口にしていた「切に生きる」という説法の言葉から選んでみました。合掌。
今日は、大晦日。来年はコロナを克服する年でありますように。
・日本海側を中心に雪が強まる予報が出ています。大雪や路面の凍結が心配ですね。一方、関東地方は初日の出が見られるかもしれません。
投稿者 m-staff : 2021年12月31日 09:44
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