[2022年02月05日]

下萌や土の裂目の物の色

炭 太祇(1709~71)

下萌(したもえ)が春の季語。草萌、草青む、畦青むなども同意の季語です。
冬枯れの大地から草が萌え出てくることを指します。また、萌え出した草芽そのものをいいます。「下萌」は冬の間の地中にあったことが前提になっていますので、寒暖の対比や冬から春への季節の移り変わりを強く感じられます。このことは黒土の温かさや香りまで髣髴(ほうふつ)とさせます。萌え出た草の芽は、暖かな日や、雨を受けて勢いよく成長し、すんなりと春の来たことを感じさせますね。
この句では、地面に草の芽が出てきて、土の裂け目の物の色まで喜んでいるようだ、と詠っています。
作者たん・たいぎの紹介は、2007年7月8日を参照。
(出典:角川春樹編「合本 現代俳句歳時記」、角川春樹事務所、2004年刊)
・昨晩は、北京冬季オリンピックの開会式。結論から言えば素晴らしい式典でした。新型コロナウイルスの感染対策もあって、観客は招待された人に限られ、時間も2時間半と大幅に短縮されました。総合演出のチャン・イーモウ監督は、実際の映像とCGを組み合わせてこれまでにない効果を挙げましたね。

投稿者 m-staff : 2022年02月05日 10:06

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