[2022年02月20日]
咲かねばならず待たねばならず牡丹の芽
加藤楸邨(1905~93)
牡丹の芽が春の季語。
牡丹はキンポウゲ科の落葉低木。ほかの植物が冬期休眠状態に入っているとき、寒さに強いので、春早く土の中からも、枝先からも芽を出します。枯れ木同然の枝からの芽立ちは、活発な生命力を感じさせます。朱色の太い芽はたくましく、力がみなぎっていますね。
この句では、牡丹の芽は、花が咲くためには約束事を護らねばならないと詠っています。「ねばならず」のリフレインが効いていますね。
同じ作者に次の句があります。
滿つる力は破るる力牡丹の芽 楸邨
力が満ちてくれば、いつかは必ず破れて花が咲くと詠っています。ものの道理ですね。緊張感が伝わってきます。
作者かとう・しゅうそんの紹介は、2005年1月22日を参照。
(出典:「日本大歳時記」、講談社、1981年刊)
・北京五輪の最終日に女子カーリング決勝戦。日本代表のロコ・ソラーレがどこまで頑張れるか、日本中が応援しています。同じ道産子として彼女らの活躍に敬意を表します。
投稿者 m-staff : 2022年02月20日 09:55
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