[2022年03月07日]

ななくさのはこべのみ萌え葛飾野

野村登四郎(1911~2001)

はこべが春の季語。はこべら、ひよこ草も同意の季語です。
春の七草の一つで、ナデシコ科の2年草。路傍や畑など、いたるところに自生しています。地を這い伸び、柔らかい葉をつけます。春になると白い小花を咲かせ、そのあと小さな実を結びます。癖のない味で戦後は野菜として食べましたね。脚気、催乳の民間薬で平安時代前期の辞典には「はくべら」という名前で載っています。鳥が良く食べるのでひよこ草とも呼ばれています。
この句の「葛飾野」は、隅田川以東の地を表し、江戸川を境に葛西、葛東といい、東京、千葉、埼玉に3分されています。その葛飾野は、はこべらだけが群生している、と詠っています。
今日は、消防記念日。それにしても火事で亡くなる人が多いですね。
作者のむら・としろうの紹介は、2006年8月20日を参照。
(出典:角川書店編「合本 俳句歳時記第三版」、角川書店、2003年刊)
・この「文字化け騒動」の間に悲しいことが起こりました。兄として慕っていた義弟の詩人、清水哲男が新宿区の慶応病院で亡くなりました。死因は腎不全、84歳。合掌。

投稿者 m-staff : 2022年03月07日 10:33

トラックバック

このエントリーのトラックバックURL:
http://yasumasa.jp/nmt/mt-tb.cgi/8051