[2022年03月09日]

雉子一羽起ちてこぶしの夜明かな

加舎白雄(1738~91)

こぶし(辛夷)が春の季語。木筆、こぶしはじかみ、田打桜、幣辛夷なども同意の季語です。
モクレン科の落葉高木。花期は染井吉野より早く咲きます。各地の山に自生し、葉よりも先に10センチほどの白い花を開き、三片の萼も花びらのように見えます。名前は、蕾の形が赤ん坊の拳を連想させるからとも、秋に熟す実が拳のようだからとも言われています。
この花の咲くころが田打ちにかかる時期で、田打桜と呼ぶ地方もありますね。
この句では、辛夷の咲いている蓮華田から夜明けに雉が一羽飛び出した、と詠っています。
作者かや・しらおの紹介は、2008年9月20日を参照。
(出典:角川春樹編「合本 現代俳句歳時記」、角川春樹事務所、2004年刊)

投稿者 m-staff : 2022年03月09日 10:39

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