[2022年05月21日]
卯の花腐し旧街道は谷へ墜つ
菅井冨佐子(1918~94)
卯の花腐し(うのはなくたし)が夏の季語。卯の花降しも同意の季語です。
陰暦四月を卯の花月といいますが、そのころ卯の花を腐らせるように降り続く雨のこと。また、陽暦五月下旬は天気の悪い日が多く、そのころの曇り空を卯月曇、卯の花曇ともいいます。
万葉集にも「春されば卯の花くたし吾が越えし妹が垣まはあれにけるかも」とあります。このところの天気は梅雨のはしり、はしり梅雨ともいわれます。
この句では、箱根の旧街道を歩いているときに、卯の花を腐らせるような雨が降り続いていて、旧街道が谷へ墜ちてゆくような気持ちになった、と詠っています。
今日は小満。24節気の一つ。陽気盛んにして万物次第に長じて滿るという意味です。
作者すがい・ふさこの紹介は、2008年5月29日を参照。
(出典:菅井冨佐子句集「曼珠沙華」野火発行所、1986年刊)
・4月の消費者物価指数は2.1%の上昇、前年比で電気代が21%、食料品が2.6%のアップ。上昇は8か月連続で、日本銀行が物価安定目標としている2%の水準を上回りました。賃上げが行われなければコロナ禍からの回復途上にある個人消費が冷え込みますね。様々な形で家計が圧迫され、庶民には厳しい生活となっています。
投稿者 m-staff : 2022年05月21日 09:21
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