[2023年03月30日]

蕊のみのさくらとなりて夕日透く

野村登四郎(1911~2001)

蕊(しべ)が春の季語。桜蕊降るも同意の季語です。
桜の萼についている細かな蕊が、風に誘われてひそやかに降るのをいいます。静かな光景ですね。落花とはまた違った趣があって、地面を赤く染める風情があります。花の後のこのような風情を愛する俳人も多く見られます。大樹の下は紅の絨毯を敷いたかのように見えます。
この句では、桜の花が散って、蕊のみになって、夕日が透けて見えると詠っています。落花の趣とは違って、静かな春の気分を喚起させられます。
作者のむら・としろうの紹介は、2006年8月20日を参照。
(出典:「新版・俳句歳時記第二版」、雄山閣、2003年刊)
・センバツ高校野球の準決勝は明日、山梨学院対広陵、大阪桐蔭対報徳学園が行われます。いずれの試合も投手の出来次第でしょうね。ところで日本のプロ野球は今日からスタートします。今シーズンのプロ野球は、午後6時半から、新球場のエスコンフィールド北海道で日本ハム対楽天との試合で開幕します。WBC日本が世界一になったことの影響が良い方へ向かうことを願います。

投稿者 m-staff : 2023年03月30日 09:36

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