2020年01月18日

夕凍のにはかに迫る青木の実

飯田龍太(1920~2007)

青木の実が冬の季語。
ミズキ科の常緑低木で、若枝が青いので青木の名前があります。暗緑色の艶やかな葉の蔭にナツメに似た赤い実が見えます。青木は、蔭のある場所に多く見られます。庭でもほかの木が育たない場所とか、日の当たらないところで見かけますが、つやつやした赤い実の美しさが際立っています。
この句の「夕凍(ゆうしみ)」は、夕べになって寒さが厳しくなってきたころを言います。青木は蔭になったところを好むので、どことなく暗い感じがしますね。しかし、その暗さが赤い実を一層引き立たせるのです。
作者いいだ・りゅうたの紹介は、2005年1月31日を参照。
(出典:青柳志解樹著「俳句の花(上)」、創元社、2008年刊)
・今日、明日は最後の「大学入試センター試験」。悪天候による交通機関の乱れはないようです。いつもながらこの一番寒い時期の試験、55万人の受験生、それに家族も大変ですね。来年からは、新しい大学入学共通テストに切り替わるそうです。来年はいよいよ初孫女児も受験です。

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2020年01月17日

泣くものの声みな透る夜の霜

野見山朱鳥(1917~70)

夜の霜が冬の季語。霜、霜の花、霜の声、深霜、霜夜、霜晴、霜日和、大霜、強霜なども同意の季語です。
空気が澄んで冴え冴えとした寒気に包まれた静かの夜には、霜が結晶化してゆく音さえ聞こえてきそうですね。このような気配を「霜の声」と呼んでいます。
この句では、そのような静かの夜に、どこか遠くで人が泣いているような音が聞こえてきます。霜の夜の静けさを「声みな透(とお)る」と見事に表現しています。
今日は、阪神・淡路大震災から25年の節目の日(1995)。あれからもう四半世紀も経ったのですね。亡くなられた方々の冥福を祈ります。
作者のみやま・あすかの紹介は、2005年4月19日を参照。
(出典:石 寒太著「よくわかる俳句歳時記」、ナツメ社、2010年刊)
・25年前の阪神・淡路大震災を教訓に、国(地震調査研究推進本部)は、全国で活断層の調査を進めてきました。その中で地震切迫度のある活断層が全国に31あると公表。その中に私の住んでいる三浦半島も含まれています。名称は「三浦半島断層群」。日本列島はどこに住んでも地震の起きないところはないと言っても過言ではありません。日ごろの備えが大切ですね。

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2020年01月16日

母と寝て母を夢むる藪入かな

松瀬青々1869~1937)

藪入(やぶり)が新年の季語。藪入(い)り、家父入、養父入、宿下り、里下りなども同意の季語です。
藪入りは、この頃あまり聞かなくなりましたね。これは使用人たちが一日仕事を休み、生家に帰ること、あるいは自由に外出することを言います。7月16日も藪入りですが、これは後の藪入りと言って区別します。昔は、奉公人に公休日は正月と盆以外にはありませんでした。
家を出ているものは、この日生家の戻り、両親に会い、家々の祖先を祭る日であって、単なる休暇ではありませんでした。
この句では、娘さんでしょうか、久しぶりに母親と並んで就寝したのに、何のことはない、見る夢は母親のこと、と詠っています。
作者まつせ・せいせいの紹介は、2007年4月5日を参照。
(出典:平井照敏著「新歳時記」、河出書房新社、1989年刊)
・暖冬のせいか、梅の蕾が膨らんできました。さて、米国と中国の政府は長期化していた貿易交渉で第1段階の合意文書に署名しました。中国が米国産の農産品の輸入拡大などを約束する代わりにトランプ政権は中国からの輸入品に上乗せしている関税の一部を引き下げることになって部分的な合意となります。妥協の産物ですが、先行きは太名ですね。世界の景気はこれにより少し安定します。

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2020年01月15日

左義長や婆が跨ぎて火の終

石川桂郎(1909~75)

左義長が新年の季語。どんど、とんど、とんど焼、吉書揚、飾り焚くも同意の季語です。
1月15日を中心に行われる火祭の行事。多くは14日の夜か15日の朝に行われます。正月の飾りの門松や注連縄などを集めて、海岸や河原、山などで中央に青竹や太い木を立てて、集めた飾りなど積み上げて焼きます。左義長の火は神聖なものと考えられ、この火で餅や団子などを焼いて食べると無病息災と言われています。また、この火で体を温めると災難を逃れ、若返るとされています。さらに、書初めをした用紙を火にくべると上達するとも言われています。
この句では、左義長の終(しま)いの火にお婆さんがひょいと跨いだ情景を活写しています。
今日は、ちゃっきらこ。三浦市三崎の海南神社の境内で、7歳から15歳ごろの少女たちが海の安全と豊漁を願って踊る行事。
作者いしかわ・けいろうの紹介は、2006年2月8日を参照。
(出典:角川春樹著「合本俳句歳時記」、角川春樹事務所、1998年刊)
・大相撲初場所が両横綱のふがいない取り組みで荒れていますね。白鵬は苦し紛れの張り差し、かちあげが不発で早2敗。鶴竜は体調不良。金星一つが4万円。これをチャンスと考えて若手陣の奮起が期待されます。

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2020年01月14日

つくづくと寶はよき字宝舟

後藤比奈夫

宝舟が新年の季語。宝船、宝船敷くも同意の季語です。
昔から、目出度い初夢を見れば、1年中幸運に恵まれるというので、良い夢を見るために、枕の下に宝船の絵を敷いて寝ました。宝舟の絵は、帆の張った船に宝物が山積みされ、七福神が乗ったものが多く見られます。そこには回文の歌が記されています。
「なかきよのとをのりふりのみなさめなみのりふねのをとのよきかな」
室町時代からはじまり、江戸時代に盛んになって、明治ごろまで続いたと言われています。
この句では、旧字の「寶(たから)」という難しい字に思いを込めて宝舟の目出度さを詠っています。
作者ごとう・ひなおの紹介は、2005年3月23日を参照。
((出典:小澤 實「名句の所以」(毎日新聞出版、2018年刊)
・大リーグアストロズのゼネラルマネジャーと監督が2017年から2018年にかけて不正にサインを分析したとして解任されました。本拠地ヒューストンの球場でセンターに設置されたカメラを使って対戦相手のキャッチーが出すサインを不正に分析していたもの。前々からこのうわさがありましたが、ようやく決着しました。

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