2019年04月25日

一つだけ突いて紙風船渡す

後藤比奈夫

紙風船が春の季語。風船、風船玉、ゴム風船、風船売なども同意の季語です。
紙風船は、明治の半ばごろから出回り始めたと言います。素材は、蝋紙などを貼り合わせて作られ、色は赤、青、黄色などを五色に染めていました。子ども相手には春祭りの神社の境内や街角に「風船売り」がやってきました。紙風船は、軽くてかさばらないので、富山の薬売りが薬を置いている家の子どもへのお土産としました。私の田舎の北海道でも見かけましたね。今ではゴム風船が主流で、いろいろな形をしたものがあります。
この句では、ポンと一つ突いて、女の子にでも渡したのでしょうか。光景が浮かんできます。
作者ごとう・ひなおの紹介は、2005年3月23日を参照。
(出典:角川春樹著「合本俳句歳時記」、角川春樹事務所、1998年刊)
・今日は、尼崎市でJR福知山線の電車が脱線し、107人が死亡した事故から14年目に当たります。今年は追悼の場が整備された事故現場ではじめての慰霊祭が行われます。安全最優先を問われるJR西日本。事故の記憶や教訓をしっかりと引き継いで行くことが亡くなった皆様への供養になります。

投稿者 m-staff : 09:43 | トラックバック(0)

2019年04月24日

石鹸玉麒麟の高さを越して爆ぜ

福田蓼汀(1905~88)

石鹸玉(しゃぼんだま)が春の季語。たまやも同意の季語です。
春らしい情景。石鹸を溶かした液に麦藁、小麦藁、葭、笹竹などの管の先を液に浸してから吹くと、日光に輝いて美しい虹色の玉が飛び立ちます。その美しい光景に見とれている子どもの姿が浮かんできますね。また、どこまで遠く飛ぶかを競っている子どもの声も聞こえてきそうです。かつては、「たまや」と、春の日差しの中を江戸の町を売り子が石鹸玉を売っていました。最近では、洗剤液を利用して、ビニールのストローなどを使っています。
この句では、動物園のなかで、石鹸玉遊びをしていて、キリンの高さを越して空へ飛んで行く様子が浮かんできます。
同じ作者に次の句があります。
石鹸玉女神の毬のごと弾み  蓼汀
この句では、いささかオーバーですが、女神の毬の如くに見えると表現しています。
作者ふくだ・りょうていの紹介は、2005年3月10日を参照。
(出典:「日本大歳時記」、講談社、1981年刊)
・スリランカのコロンボで起きた同時爆破テロ事件は、過激派組織ISが犯行を主張する声明を発表しました。これまでに321人が死亡、およそ500人が怪我をしています。イースターのお祭りをしている人たちを狙い、教会では体に巻き付けた爆発物を爆発させたほか、ホテルでは爆弾と身体に巻き付けた爆発物を両方爆発させたと言われています。自爆テロは、防ぎようがありませんね。

投稿者 m-staff : 09:49 | トラックバック(0)

2019年04月23日

春水のあるひはながれいそぎけり

久保田万太郎(1889~1963)

春水が春の季語。春の水、水の春も同意の季語です。
春の水に思い描くのは、満々としたその水量にありますね。古くから「春水四沢(したく)に満つ」と言って、春には山々の雪解けで湖沼も沢も多くの水を抱え、また、川も豊かに流れて行きます。この季語は、淡水に使われ、海には言いませんね。さらに、水は冷たくなく、ぬるむ感じです。
この句では、「あるひは」の使い方に作者の特徴が出ています。ゆったりした流れの中にも、何を急いでか、生き急いでいる流れが見かけられる、と詠っています。万太郎俳句は、江戸下町情緒にどっぷり浸かった市井人の匂いがします。
今日は、77歳の誕生日。生まれた日から数えて28125日目。これでいわゆる「喜寿」になりました。長寿祝には、還暦祝(満60歳)、古稀祝(70歳)、喜寿祝(77歳)、傘寿祝(80歳)、米寿祝(88歳)、卒寿祝(90歳)、白寿祝(99歳)、百寿祝(100歳)などがあります。
作者くぼた・まんたろうの紹介は、2005年1月6日を参照。
(出典:久保田万太郎著「句集・こでまり抄」、ふらんす堂、1991年刊)
・アメリカ政府は、「イラン産原油禁輸」に向けた経済制裁で、日本、中国、インドなど8か国に認めていた制裁の適用除外について、5月上旬以降は延長しない方針を発表。これによってイランが強く反発するのは確実で、両国間が緊張し、原油価格の高騰が起きます。またもトランプのわがまま外交が世界を混乱させますね。

投稿者 m-staff : 10:01 | トラックバック(0)

2019年04月22日

夕日より人歩み来る暮春かな

鷲谷七菜子(1923~2018)

暮春が春の季語。暮の春、春終る、末の春、春暮るる、春の暮ゆく、春の果なども同意の季語です。
春の終わりのこと。春の夕暮れではありません。過ぎてゆく春を主情的に表すというよりは、むしろ春が過ぎゆく頃という、淡々とした心持を表しています。
この句からは、暗い影をひく孤独な作者の姿が思われますが、その中にも、自己の立っている次元から、別な次元をながめています。それは、自らの人生が負った、本来の俳句への回帰を見せた姿であり、現実や物を見とおして見えてくるもう一つの次元を指していますね。暮春には、夕映えの中から、待ち焦がれていた人が現れた、と詠っています。
作者わしたに・ななこの紹介は、2006年3月9日を参照。
(出典:阿部誠文著「輝ける俳人たち」、邑書林、1996年刊)
・スリランカの同時爆発事件は、ホテルや教会の6か所で起こり、すべて自爆テロとのこと。スリランカ政府の話では、事前にテロの情報が寄せられ、警戒していたところに起きたと言っています。引き続き類似の事案が起きないように、外務省は最新の情報を入手するよう呼び掛けています。

投稿者 m-staff : 09:53 | トラックバック(0)

2019年04月21日

一人静むらがりてなほ淋しけれ

加藤三七子(1925~2005)

一人静が春の季語。吉野静、眉掃草(まゆはきそう)も同意の季語です。
この花は、淋し気で清楚な姿を、源義経が愛した静御前になぞられて名づけられました。センリョウ科の多年草。山林や丘陵などの日陰に群落をなしています。節のある紫色の茎は直立し、高さは20センチほど。4枚の葉は対生し、暗緑色でやや光沢があります。葉の長さは10センチほどの楕円形。その葉の中から4月下旬ごろに一本の花軸が伸びて白色の小さな花が顔を出します。また、吉野山中での義経との別れの故事を重ねて吉野静とも言いますね。
この句では、一人静が群がって咲いているにもかかわらず、どこか淋し気に見えると詠っています。
作者かとう・みなこの紹介は、2005年4月12日を参照。
(出典:「ラジオ深夜便 誕生日の花ときょうの一句」NHKサービスセンター、2011年刊)
・今日は横須賀市の市議会選挙。無所属のいつも決めている候補に投票します。ヤンキースの田中投手は5回目の先発。味方の援護もあって勝利投手になりました。これで2勝1敗。まだまだ活躍しそうです。

投稿者 m-staff : 09:44 | トラックバック(0)