2019年10月18日

冷まじや胸先走る濁り川

角川源義(1917~75)

冷(すさ)まじが秋の季語。秋すさぶも同意の季語です。
秋の深まる頃の寒さを言います。本来の意味は、「荒ぶ」「すさむ」であって、勢いのままに荒れて衰えることを指します。期待や熱意が冷えてしまう状態を言います。時期外れ、場違い、興ざめのことを表していました。それが現在では、秋気が冷たく感じる極みを表すようになりました。
この句の冷まじは、まるで今回の台風19号による河川の濁流を想定させるような趣がありますね。昔から、水を治めることは本当に難しいことですね。
作者かどかわ・げんよしの紹介は、2005年3月24日を参照。
(出典:角川春樹著「合本俳句歳時記」、角川春樹事務所、1998年刊)
・今日から明日にかけて、東日本、東北で大雨のおそれ、被災地が心配ですね。政府は、台風19号の被害を「特定非常災害」に指定。これまで阪神・淡路大震災、新潟県中越地震、東日本大震災、熊本地震、西日本豪雨、今回で6例目となります。

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2019年10月17日

月の道子の言葉掌に置くごとし

飯田龍太(1920~2007)

月の道が秋の季語。月、初月、新月、夕月、昼の月、月夜、月の出、月光、月明りなども同意の季語です。
月は1年中身近なものであり、四季問わずそれぞれに趣がありますが、すがすがしさは秋に極まるので「月」と言えば「秋の月」を指します。
この句では、月夜の道を幼い子の手を引いて、外出から家に帰る光景が浮かんできます。ようやく言葉を覚えた幼子と父親が会話をしていて、それを「子の言葉掌に置くごとし」と柔らかく表現しています。作者は6歳の次女を亡くしていて、その幼子の思いが句になっています。。
作者いいだ・りゅうたの紹介は、2005年1月31日を参照。
(出典:「日本大歳時記」、講談社、1981年刊)
・被災地は、猛威をふるった台風19号の後始末で、大変な状況ですね。振り返ってみれば、それぞれの被災地の自治体の対応が生死を分けたとも言えます。大雨特別警報への甘い対処が人の命を失ったと言っても過言ではありません。肝に銘じて今後の行政を進めなければなりません。

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2019年10月16日

がまずみの実に太陽のひとつひとつ

阿部みどり女(1886~1980)

がまずみの実が秋の季語。がまずみも同意の季語です。
山野のどこにでもはえ、赤い実が美しいので庭に植えているのを見ることがあります。初夏には白い小花を咲かせ、10月ごろになると実が赤く熟し、花とは変わった華やかさがありますね。実はその後暗赤色になります。実は酸っぱくて、もっぱら鳥が食べ、この実で衣類を染めたり、食紅にしたので「がまずみ」の名前があると言われています。
この句では、秋の太陽の光がたくさん集まっている、がまずみの実のひとつひとつにあたっている、と詠っています。
作者あべ・みどりじょの紹介は、2005年6月2日を参照。
(出典:角川春樹著「合本俳句歳時記」、角川春樹事務所、1998年刊)
・記録的な大雨をもたらした台風19号が去ってから急に涼しくなりました。この台風によって東北や関東など広い範囲で浸水して大変な被害をもたらしています。これから寒くなるにつれて一日も早い復旧が望まれます。たいした被害ではないと言った何処かの党の幹事長に怒りを覚えます。

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2019年10月15日

月に飛ぶ穂絮よ死者は睦み合ふ

丸山哲郎(1922~2008)

穂絮(ほわた)が秋の季語。草の穂、草の穂絮、穂草なども同意の季語です。
イネ科やカヤツリグサ科の雑草、例えば、えのころ草、刈萱、芒などは秋になると穂花を出します。それがほつれて綿状になったものを「草の絮」と言います。一見すると、花も実も区別がつきにくくなっています。草の絮は、子供たちの遊び道具になり、また絮が風に乗って飛び散り、穂がばらまかれます。
幻想的な句ですね。穂絮が月に向かって飛んでいます。それはまるで亡くなった人たちが睦みあっているかのようです。
今日から新聞週間。
作者まるやま・てつろうの紹介は、2011年11月12日を参照。
(出典:平井照敏著「新歳時記」、河出書房新社、1989年刊)
・どのテレビ局も水浸しの光景を写し出しています。台風19号の影響は広範囲にわたり、予想以上の被害をもたらしています。地球温暖化により、海水の温度が上昇して、局地的に多くの雨を降らせています。気象上の過去の記録が役に立たない時代に入りましたね。

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2019年10月14日

運動会授乳の母をはづかしがる

草間時彦(1920~2003)

運動会が秋の季語。秋季大運動会、体育祭なども同意の季語です
今日は、体育の日。秋は、スポーツに最適で、学校を始めとして、会社や工場、各種団体などで運動会が行われます。最近は春に行う学校も増えていますが、青空の下で白線の引かれた運動場や爽やかな応援をする歓声を思うとき、運動会はやはり秋のものと、ひとしお感じます。
この句は、実景で小学校の運動会でしょうね。作者の若い母親が赤ちゃんにお乳を与えている様子を見て、恥ずかしい思いをしているお兄ちゃんの顔が浮かんできます。
作者くさま・ときひこの紹介は、2005年7月11日を参照。
(出典:蝸牛社編集部編「新季寄せ」、蝸牛社、1995年刊)
・ラグビーワールドカップで、日本は強豪スコットランドを接戦の末28対21で破りました。原因は日本の作戦勝ち。前半に得点を重ね、後半に逃げ切りました。これで念願のベストエイトへ進出。次は、南アフリカと20日に東京で対戦。台風19号で被害を受けられた皆様へお見舞い申し上げます。

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