2018年12月19日

飛騨に向ふ軒みな深し冬がまへ

室生犀星(1889~1962)

冬がまへ(構え)が冬の季語。冬囲も同意の季語です。
冬を迎えるにあたって、家の内外を問わずに、防寒、防雪、防風のための設備を整えたり、手入れをすること一切を言います。雪国では、北窓に板張りをして防ぎ、家屋に風よけや雁木を施し、目張りなどします。ことに古い日本家屋では、高温多湿の夏季を主としているために、毎年この冬構えをしなければなりませんね。
この句の飛騨は、飛騨山脈のこと。北アルプスは俗称。日本の屋根と言われる山々も雪をかぶっています。これから厳しい季節がやってきます。深い軒を持った家々は、どっしりとして、冬のやってくるのを待ち構えているようだと詠っています。
作者むろう・さいせいの紹介は、2005年6月20日を参照。
(出典:草間時彦「秀句鑑賞十二か月」(朝日新聞出版、2000年刊)
・携帯事業を手掛けるソフトバンクは、東証1部に株式上場、初音は1463円で売り出し価格の1500円を下回りました。それでも市場から調達したのは2兆6000億円。孫さんの顔は苦笑いでしょう。

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2018年12月18日

モンマルトルの露地を転がり毛糸玉

星野紗一(1921~2006)

毛糸玉が冬の季語。毛糸、毛糸編むも同意の季語です。
毛糸編むは、冬用の毛糸のセーター、カーディガン、帽子、手袋などを編むことを言います。女性が編み棒を動かして手編みしている様子が浮かんできます。
この句では、パリのモンマルトルの露地を歩いていたら毛糸玉が転がってきたと詠っています。ほのぼのとした気持ちにさせられる句ですね。
この句のモンマルトルは、パリ市の北部の高さ130メートルの小高い丘にあり、19世紀以来多くの芸術家が集まり、印象派、象徴派、立体派などの近代美術の揺籃地と呼ばれていますね。この地域には、サクレクール大聖堂、ムーランルージュなどが良く知られています。私も遥か昔にフランスへ出張し仕事の合間に訪ねたことがあります。
作者ほしの・さいちの紹介は、2008年10月17日を参照。
(出典:倉橋羊村著「私説現代俳人像」(下)(東京四季出版、1998年刊)
・ニューヨーク株式市場は、景気の先行きを懸念してダウ平均株価は一時、600ドル以上値下がりしています。日本もこれに連動することでしょう。トランプの米中貿易摩擦が深く影を落としています。

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2018年12月17日

蒟蒻を落して跼む年の市

飴山 實(1926~2000)

年の市が冬の季語。
新年用の品物を売る市を言います。正月の飾り物や家庭用品を売る店が社寺の境内に大市、町筋に小市となって並びます。最近では、デパートなどでも特設売り場ができて賑わいを見せていますね。いずれも12月半ばから大みそかまで開かれていて賑わいを見せています。その年の景気、不景気の反応がわかるのもこの時期で、東京浅草寺境内に立つ大市が有名で、師走の感慨がわきます。歳末風景の一こまですね。
この句では、人込みの中を、家庭用品を買いに行って「蒟蒻(こんにゃく)を落として跼(かが)んでいる」作者の困った顔が浮かんできますね。
今日は、東京浅草寺の年の市、羽子板市。
作者あめやま・みのるの紹介は、2007年6月27日を参照。
(出典:「合本 俳句歳時記第三版」角川書店、2003年刊)
・韓国の仁川で開かれていた卓球のグランドファイナルで15歳の張本智和選手が史上最年少で優勝。凄い選手が表れたものですね。チャンピオンになったのですから、あの「チョレイ」と叫ぶのを聞く我々は、もう少しの辛抱ですね。

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2018年12月16日

石蕗咲いていよいよ海の紺たしか

鈴木真砂女(1906~2003)

石蕗(つわ)咲いてが冬の季語。石蕗の花、石蕗も同意の季語です
この花は、寒い地方には見られず、暖地の海岸に咲いています。キク科の常緑多年草。日蔭でもよく育つので庭園の下草として植えられていて、形は蕗に似ていますが、葉は厚く光沢があり、濃い緑色が印象的ですね。花は菊に似た鮮やかな黄色で花を車輪のように咲かせます。
この句では、まばゆいばかりに黄色の石蕗の花が咲いています。日の光りを浴びて、まだ飛び回っている虫が訪れて、一見冬の華やかさを見せています。このころに、海の色は一段と落ち着きを見せて、晴れた穏やかに日が続きます、と詠っています。
作者すずき・まさじょの紹介は、2005年1月16日を参照。
(出典:角川春樹著「合本俳句歳時記」、角川春樹事務所、1998年刊)
・ポーランドで開かれている地球温暖化対策の「COP24」ですべての国が合意して「パリ協定」の実施に必要なルールが採択されました。これによって、2020年からパリ協定のもとですべての国が協調して温暖化対策を実施することになりました。問題はトランプのアメリカが今後どのような動きを見せるかにかかっていますね。

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2018年12月15日

柊の花に何喰む神の鷄

久米三汀(1891~1952)

柊(ひいらぎ)の花が冬の季語。花柊用い同意の季語です
柊は、木偏に冬と書いて冬の木の代表とされていますね。モクセイ科の常緑小高木。関東以西の山中に自生していますが、芳香が喜ばれて庭や生垣にも植えられています。高さは3メートルほど、葉は濃緑色で光沢があり、硬くて鋭いとげがあります。葉の付け根に小さい白い花が多く集まって開きま、花は細かく、葉に隠れてほとんど目につきませんね。
この句では、「何喰(は)む神の鷄(とり)」と読ませます。柊の咲いている下あたりで、神社で飼われている鶏が境内でしきりに何かをついばんでいます。それが人の眼には何であるかはよくわからない、と詠っています。
今日は、東京世田谷のボロ市。
作者くめ・さんていの紹介は、2006年2月12日を参照。
(出典:青柳志解樹著「俳句の花(下)」、創元社、2008年刊)
・今年は、「災」の年。7月に発生した西日本豪雨の被害額は被災地の11府県で1兆7000億円。さらに北海道での大規模停電、関西空港の一時閉鎖なども新たな災害として発生しています。人間と自然との闘いは終わり無く続きますね。

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