2019年07月16日

沙羅の花捨身の落花惜しみなし

石田波郷(1913~69)

沙羅(しゃら)の花が夏の季語。夏椿、ひめしゃら、さらの花、赤ら木、さるなめなども同意の季語です。
7月ごろに、5センチほどの白い花を葉の付け根に咲かせます。ツバキ科の落葉高木。五弁花は椿にそっくりですね。夏椿が学名でインド産の沙羅双樹とは違います。幹は古い皮がはがれて、すべすべした赤褐色になるので「赤ら木」、きれいな木肌は猿が舐めたようなので「さるなめ」という俗称があります。
この句では、沙羅の花の散り落ちるときに花ごと落花する様子を見て、その潔さをシャープに詠っていますね。
今日は、藪入り。
作者いしだ・はきょうの紹介は、2005年2月13日を参照。
(出典:青柳志解樹著「俳句の花(下)」、創元社、2008年刊)
・アメリカの危ない大統領の「米国が嫌いなら出て行け」の発言は、またまた「人種差別だ」と批判が巻き起こっています。韓国の大統領は、国内の様々な問題から国民の目をそらすために、隣国の政策にちょっかいを出しています。日本政府は、冷静に対処しなければなりませんね。

投稿者 m-staff : 09:39 | トラックバック(0)

2019年07月15日

梅雨冷の駄菓子持ちよる患者会

目迫秩父(1917~63)

梅雨冷(つゆびえ)が夏の季語。梅雨寒、梅雨寒し、寒き梅雨なども同意の季語です。
今年は梅雨らしき梅雨の年。梅雨の最中に、北から寒気団が南からの温暖前線を追いやって、すっぽりと日本列島を蔽うとにわかに冷雨となります。新緑の樹々に降る雨が黒々として、夜はもとより昼間でも肌寒い感じがします。このようなときが長く続けば冷夏冷害となりますね。
この句では、入院患者の皆さんが寄り集まって、駄菓子などを並べ寒い夏だねえと懇談しています。
今日は、海の日。海の恩恵に感謝するとともに、海洋国家日本の繁栄を願う日。世界の国々の中で「海の日」を国民の祝日にしているのは日本だけだそうです。
作者めさく・ちちぶの紹介は、2008年10月10日を参照。
(出典:「日本大歳時記」、講談社、1981年刊)
・インターネット上でやりとりされる仮想通貨、「暗号資産」が不正に流失して社会問題になっています。運営している会社のシステム管理がままならず、外部のハッカーの餌食になっています。暗いお金ですから、手を出さないほうが無難ですね。

投稿者 m-staff : 09:37 | トラックバック(0)

2019年07月14日

人もわれもその夜さびしきビールかな

鈴木真砂女(1906~2003)

ビールが夏の季語。麦酒、黒ビール、生ビール、地ビール、ビヤホール、ビヤガーデンなども同意の季語です。
ビールは四季を通じて飲まれていますが、消費量は飛びぬけて夏が多く、夏の季語として定着しています。大麦が原料で、ホップで独特の苦みや香りをつけて造る低アルコール飲料のこと。このところビール戦争というぐらいにビールの種類、銘柄が増えて地元でしか飲めない地ビールも出現して、また、輸入物のビールも普通に飲まれるようになりましたね。
この句では、ビールを、華やかに元気をつけるためではなく、ひそやにビールを飲んでいます。これはきっと近しい人が亡くなって献杯をしているものと想像してみました。
今日は、パリ祭。若い人で知っている方が少なくなりました。
作者すずき・まさじょの紹介は、2005年1月16日を参照。
(出典:角川春樹著「合本俳句歳時記」、角川春樹事務所、1998年刊)
・今年のプロ野球オールスターは、第1戦はパリーグ、第2戦は
セリーグが勝ち、パリーグ主体の流れを止めました。第2戦は甲子園のお客さんが雨の中を懸命に応援したのが印象的でした。それもあって阪神の若手が大活躍。金本が去って、近本がサイクルヒット、後半戦が楽しみです。

投稿者 m-staff : 09:51 | トラックバック(0)

2019年07月13日

顔入れて顔ずたずたや青薄

草間時彦(1920~2003)

青薄が夏の季語。芒茂る、青萱、萱茂るなども同意の季語です。
薄は、秋の山野を代表する草の一つですが、夏の日盛りの中で、その光の当たる青々と茂っている薄を言います。春になって、芽が出た薄は、夏になると葉が1メートルから2メートルにまで成長し、風になびいて涼しく感じます。薄は、イネ科の大形多年草ですが、青薄のうちは花穂が出ません。野原一面に草むらをなして、萱などと同じく、屋根を葺くのに用いられました。
作者は、薄の野原に入り込んで、薄の葉で顔を傷つけてしまったと詠っています。ちょっと痛々しいけれども、その光景が浮かんできますね。
作者くさま・ときひこの紹介は、2005年7月11日を参照。
(出典:石 寒太著「よくわかる俳句歳時記」、ナツメ社、2010年刊)
・昨晩テレビで、凄い試合を見ました。大阪で行われたWBAミドル級世界戦で、昨年10月に敗れた相手との再戦で、村田諒太選手がTKO勝ちで王座を奪還しました。ボクシングの重量クラスは迫力がありますね。負ければ引退の覚悟で練習を積み重ねて素晴らしいファイトを見せてくれました。しばらくはこの勢いが続きそうです。

投稿者 m-staff : 10:13 | トラックバック(0)

2019年07月12日

浮葉巻葉立葉折れ葉とはちすらし

山口素堂(1642~1716)

はちすが夏の季語。蓮、はちすの花、蓮華、紅蓮、白蓮(びゃくれん)、蓮池なども同意の季語です。
スイレン科の多年草。原産地はインド。日本でも古代蓮の実が発見されて、かなり古い時代に渡来したとされていますね。蓮の池や池、沼などに白、淡紅色の花を咲かせます。花の後に花托が伸びて、蜂の巣のようになるので「はちす」とも呼ばれます。
作者は、江戸の不忍池の近くに住んで、池の蓮、とりわけ葉の様々な形を好んで句にしました。この句でも蓮の葉のいろいろな形象が句に表現されています。
作者やまぐち・そどうの紹介は、2005年6月7日を参照。
(出典:大岡 信著「新 折々のうた1」、岩波新書、1994年刊)
・今年は梅雨らしい梅雨というべきか、毎日がうっとうしく感じられますね。このようなときは、じっくり本を読んではどうでしょうか。いま、白井聡著「増補「戦後」の墓碑銘」(角川ソフィア文庫、2018年刊)にはまっています。著者の説によると、早晩、アメリカは日本を収奪の対象とする政策を進めると述べています。

投稿者 m-staff : 10:12 | トラックバック(0)

2019年06月19日:栗の花紙縒の如し雨雫
2019年04月10日:春暁や一点燈の大伽藍
2019年01月10日:堀川の水の暗さや宵戎
2019年01月01日:元日や上々吉の浅黄空
2018年12月31日:銭洗弁財天の師走かな
2018年12月25日:雪道や降誕祭の窓明り
2018年12月15日:柊の花に何喰む神の鷄
2018年10月30日:神に水仏に線香秋深む
2018年09月24日:名月や故郷遠き影法師
2018年07月14日:巴里祭厠に残る女の香
2018年05月09日:古溝や只一輪の杜若
2018年03月19日:剪定の腰手拭や一日晴
2018年02月18日:老梅の穢き迄に花多し
2017年10月26日:空山へ板一枚を荻の声
2017年06月16日:葛桜男心を人問はば
2017年01月14日:八十の媼と遊ぶ女正月
2016年12月10日:武蔵野の雀と親し冬柏