2018年09月18日

もくせいの夜はうつくしきもの睡る

富沢赤黄男(1902~62)

もくせい(木犀)が秋の季語。金木犀、銀木犀、薄黄木犀も同意の季語です。
この花の盛りにはあたり一面に芳香を振りまくことで知られていますね。もくせい科の常緑小高木。中国が原産で江戸時代に渡来しましたが、雄木だけで雌木がないので結実しません。金色の花が金木犀、白い色の花が銀木犀、薄黄色の花が薄黄木犀で原種。秋も深まると葉の脇に細かい花をたくさんつけて香りを周囲に振りまきますね。
この花の周囲は物みな美しく睡り、芳香があたり一面に振りまかれている、と詠っています。
作者とみざわ・かきおの紹介は、2007年9月16日を参照。
(出典:「合本 俳句歳時記第三版」角川書店、2003年刊)
・トランプ政権が中国に対して24日から第3次の制裁措置を実施すると発表。あの政権はどこまで馬鹿なのでしょうか。関税の引き上げは米国、中国にとっても自らの消費者や企業に打撃を及ぼし世界経済にブレーキを掛けますね。それによって日本経済は大きな影響を受けます。日本政府の対応が懸念されます。

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2018年09月17日

吾亦紅霧の奥にて陽が育つ

宮坂静生

吾亦紅(われもこう)が秋の季語。吾木紅、我毛香も同意の季語です。
秋風に揺れている様子が楽しく見えますね。咲き始めは紅紫色で、日が経つにつれて褐色に変わりますが、普通の花のように散ることはありません。バラ科の多年草。日本各地で見られ、秋も深まると茎の上方で枝が分かれて花弁の無い花が密集して穂状に開きます。穂は短い円筒状で俵に似た形をしていますね。苞と咢だけで花弁の無い花です。
この句では、垂れこめた朝霧の「奥」で太陽が育ちつつあるといった感じ方には、内面にこもった若々しい力がみなぎっていますね。
今日は、敬老の日。
作者みやさか・しずおの紹介は、2007年11月10日を参照。
(出典:大岡 信著「第七 折々のうた」、岩波新書、1989年刊)
・ベルリンマラソン男子で、ケニアのエリウド・キプチョゲ選手は、2時間1分39秒の驚異的な世界記録で優勝。これまでの記録を1分以上短縮。東京五輪の優勝候補になりました。

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2018年09月16日

寝つづけて夕べとなりぬ秋の雨

吉野左衛門(1879~1920)

秋の雨が秋の季語。秋霖(しゅうりん)、秋黴雨(あきついり)、秋雨なども同意の季語です。
この頃は、天気予報で雨と言っても、しとしとと1ミリほどの状態が続きます。春雨と同じく、夏、冬の季節風の交代する、定風の無い凪の時期に、所々に小さな低気圧が生じ、そのため曇りがちで小雨の降る時期が続きますね。じとじとと梅雨のように降り続くことが多いので、秋霖とも秋黴雨とも言います。
そのような時期に、夏の疲れが出て寝続けているとそれに合せて一日中雨が降っている、と詠っています。うそ寒く淋しい感じで沈んだ気持ちになる状態がよく表されていますね。
作者よしの・さえもんの紹介は、2017年3月25日を参照。
(出典:「日本大歳時記」、講談社、1981年刊)
・今年の夏は、猛暑と過去最多の台風で記録ずくめとなりました。特に東日本では平均気温が高く、各地で記録的な猛暑となったほかに台風は18個発生して過去最も多い記録と並びました。夏バテからようやく元気になりましたが、体調を管理することの大事さを思い知らされました。

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2018年09月15日

病ひよき妻ゆゑ眩し青瓢

成田千空(1921~2007)

青瓢(あおふくべ)が秋の季語。瓢、ひさご、瓢箪(ひょうたん)、百生り、千生りなども同意の季語です。
近くの農場の畑棚に青瓢がいくつもぶら下がっているのを見かけました。
瓢は、夕顔の一変種。果実の中央がくびれ、独特の形になるため、ひさご、ふくべの名前の元に、古くから酒、飲料水の容器として利用され、親しまれてきました。棚づくりされた瓢は、瓢箪型の青い実となって垂れ、白い花をつけます。百生り、千生りという名のある通り多量の実をつけ、熟すると口を切って水につけます。中の果肉を取り、乾燥すると瓢箪になりますね。
この句は、病で臥せっていた作者の妻が青瓢の元気の良さを感じていささか明るくなった、と詠っています。
今日は、京都石清水、鎌倉鶴岡八幡宮大祭、大阪岸和田だんじりなど。
作者なりた・せんくうの紹介は、2006年3月28日を参照。
(出典:角川春樹著「合本俳句歳時記」、角川春樹事務所、1998年刊)
・強烈な台風22号は、フィリピン北部に上陸し、その後、香港に接近するそうです。アメリカではハリケーン・フローレンスがノースカロライナ州に上陸。非常事態宣言の状態です。異常気象が異常気象と呼ばなくなった状態を恐れます。

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2018年09月14日

大粒な雨過ぎてより虫の夜

角川源義(1917~75)

虫の夜が秋の季語。虫、虫の声、虫の音、虫時雨、虫の秋、昼の虫、残る虫、すがれ虫なども同意の季語です。
秋に鳴く虫の総称。秋の草むらにすだく虫を言います。ただし鳴くのはいずれも雄だけですね。虫の音色にはそれぞれ風趣があり、鳴いている所、時、数によっては趣が違って見えます。その声を聴くと秋の淋しさが身に迫ってきます。「虫時雨」は、虫の鳴き競う姿を時雨に例えています。「残る虫」は「すがれ虫」とも言って盛りに時期を過ぎて衰えた声で鳴いている虫を表しています。
この句は、情景そのままですね。大粒の雨が通り過ぎた後に、猛然と虫が鳴き始める夜であった、と詠っています。
作者かどかわ・げんよしの紹介は、2005年3月24日を参照。
(出典:「合本 俳句歳時記第三版」角川書店、2003年刊)
・大相撲の稀勢の里が綱渡りの5連勝。そろそろスタミナが心配になってきましたね。中盤は、関脇・大関陣との対戦が見ものです。
いずれにしてもモンゴル勢を倒さなければ明日はありません。

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2018年07月14日:巴里祭厠に残る女の香
2018年05月09日:古溝や只一輪の杜若
2018年03月19日:剪定の腰手拭や一日晴
2018年02月18日:老梅の穢き迄に花多し
2017年10月26日:空山へ板一枚を荻の声
2017年06月16日:葛桜男心を人問はば
2017年01月14日:八十の媼と遊ぶ女正月
2016年12月10日:武蔵野の雀と親し冬柏
2016年06月22日:美しき緑走れり夏料理
2016年05月28日:童らに空の花なる立葵
2016年04月09日:少年の髪白みゆく桜狩
2016年04月07日:鶯の次の声待つ吉祥天
2016年04月05日:花曇小雀の嘴の苔一片
2016年02月08日:山里や男も遊ぶ針供養
2016年01月12日:裏白や齢重ねし父と母
2016年01月06日:楽想を失ひ手毬唄漂ふ
2015年12月24日:懐妊や金銀灯し聖誕樹