2022年05月19日

神の声湧くごと森の車百合

加藤知世子(1909~86)

車百合が夏の季語。山百合、白百合、鬼百合、姫百合、笹百合、鹿の子百合、鉄砲百合なども同意の季語です。
ユリ科の多年草。野生種、園芸種ともに多くの種類があって、総称して百合といいます。地下に球状の鱗茎を持ち、一つの茎に1または数個の花を開き強い香りがしますね。古く百合といえば山百合を指し、野生の百合を代表します。百合は世界各地に分布しますが、日本は百合王国として世界的に有名です。
この句の「車百合」は、日本の中北部の高山草地に自生しています。高さは約20~50センチ。中ほどに10枚ほどの葉を輪生させ、花は橙赤色をしています。
この句では、車百合が神の声が湧くように咲いている、と詠っています。神秘的な情景が浮かんできますね。
作者かとう・ちよこの紹介は、2005年7月24日を参照。
(出典:角川春樹編「合本 現代俳句歳時記」、角川春樹事務所、2004年刊)
・エンジェルスの大谷選手がレンジャーズ戦、3番投手。前回4月14日は敗戦投手。今日はその雪辱が果たせるかどうか興味津々。問題は制球力。球は相変わらず早いのですが、コントロールがままなりません。どのように打者を操るか楽しみです。自分を信じてやるしかありませんね。

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2022年05月18日

ひるがほのあまた咲くなり氷室道

及川 貞(1899~1993)

ひるがほ(昼顔)が夏の季語。
ヒルガオ科の多年生つる草。野原や道端などどこででも見かけます。茎は細長く地上を這い、何にでも巻き付き、葉は長く楕円形をしています。夏の日の下、朝顔よりやや小さめの淡紅色のあっさりとして花を開きますが、結実しませんね。名前の通り日盛りに咲きます。昼顔の一種に夜に咲く「夜顔」があります。
この句の「氷室道(ひむろみち)」は、氷を夏まで貯蔵しておくための特別な室または山陰かげの穴をいい、そこへたどる道のこと。この句では、氷室道に昼顔がたくさん咲いている、と詠っています。静謐な山の光景が浮かんできますね。
作者おいかわ・ていの紹介は、2005年8月22日を参照。
(出典:平井照敏編「新歳時記」、河出書房新社、1989年刊)
・ウクライナ東部の要衝マリウポリの製鉄所にとどまっていた部隊が投降し、ロシア側が製鉄所を制圧して、マリウポリを完全掌握する可能性が強まった、と報道されています。日本人なら「玉砕」する所でしょうが、捕虜の交換になったことのようです。ロシアは、全体には東部2州の掌握を狙ってほかの戦線に集中するはずがウクライナ側の反撃にあってこのところ勢いを失っているようです。

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2022年05月17日

てつせんの花のさきなる濁世かな

松澤 昭(1925~2010)

てつせん(鉄線)の花が夏の季語。鉄線花、てつせんかづら、菊唐草、クレマチスなども同意の季語です。
キンポウゲ科の蔓性植物。中国原産で江戸時代に渡来しました。垣根、鉢植えにして観賞します。5月ごろになると、葉の付け根から花梗を出し、大形の白色や紫色の花を開きます。6枚の花弁は萼片が変化したもの。鉄線花の名前の由来は、蔓が硬くて針金のようなところから付いたもの。現在、鉢植えで市場に出回っているのは改良種のクレマチス。
この句の「濁世(じょくせ)」は、濁り穢れた世、末世のこと。この句では鉄線花の蔓の硬いイメージと対比して、それにしてもこの世は濁世だなあと慨嘆しています。
作者まつざわ・あきらの紹介は、2005年3月21日を参照。
(出典:角川書店編「合本 俳句歳時記第三版」、角川書店、2003年刊)
・エンジェルスの大谷選手、今日はアウェーでテキサス・レンジャーズと対戦。第9号ホームランを期待します。それにしても「二刀流」は大変ですね。投手と打者の両方をするためには人の何倍かの練習をしなければなりません。彼の努力に脱帽です。

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2022年05月16日

電灯の紐に紐足すほととぎす

綾部仁喜(1929~2015)

ほととぎす(時鳥)が夏の季語。初時鳥、子規、不如帰なども同意の季語です。
時鳥は、古来多くの詩歌に詠まれてきました。深夜、明け方に時鳥の鳴く声は人の魂を誘い出すと伝えられ、うっかり寝ている間に呼び出されるなら魂が遊離してしまう、と恐れられました。それを防ぐために眠らないで鳴き声を聞き漏らすまい、というおかしな歌も残っています。
この句では、電灯が和風の寝間の天井から吊るしてあり、その電灯には引き紐が吊るしてあります。これをさらに実用的に紐を継ぎ足し、とっさに起き出せるように紐を手近に垂らしています。時鳥の鳴き声を聞き逃すまいとして電灯の紐を握っているようなおかしみがありますね。
作者あやべ・じんきの紹介は、2019年8月15日を参照。
(出典:村上 護著「きょうの一句」、新潮文庫、2005年刊)
・朝5時に起きて、エンジェルスの大谷選手のホームランを見ました。対アスレチックス戦に3番指名打者で先発出場し、1回の第1打席に今シーズン8号となる2ランホームランを打ちました。大リーグ通算101号目です。試合は4対1で勝ちました。凄い。

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2022年05月15日

ふるさとの波音高き祭かな

鈴木真砂女(1906~2003)

祭が夏の季語。夏祭、祭礼、宵祭、夜宮、神輿、山車、祭囃子、祭太鼓、祭笛、祭衣、祭提灯、祭髪なども同意の季語です。
コロナ禍で祭を中止していたところもほとんどが再開しているようですね。京都の葵祭は3年連続中止、東京の神田祭は行われるようです。
古来、日本人は農事の安定と豊作を祈って神に祈りを捧げ、感謝し、ともに1年の無事を喜び合ったものです。夏祭は、特に風水害、虫の害などの無いように祈りました。神は夜の間に来臨すると信じられており、夜宮、宵祭といって前日の夜から祭が始まります。現在の祭りにつきものの神輿は、本来は地上に降りてきた神が乗る乗り物でした。
作者の故郷は千葉県の鴨川。波瀾の人生は丹羽文雄が「天衣無縫」「帰らざる故郷」で書いています。この句では、故郷の祭りを素直に表現していますね。
作者すずき・まさじょの紹介は、2005年1月16日を参照。
(出典:「日本大歳時記」、講談社、1981年刊)
・沖縄本土復帰から今日で50年、半世紀。太平洋戦争の沖縄戦のあおと、27年にわたってアメリカの統治下におかれ、沖縄は50年前の今日、本土に復帰を果たしました。現在、在日米軍の専用施設の約70%が沖縄に集中しています。また、経済は「本土並み」にはなお差が開いています。沖縄と本土の溝はますます深くなり一体何時になったら埋まるのでしょうね。

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2022年03月14日:一人静二人静も裏山に
2022年02月18日:若草や水の滴る蜆籠
2022年02月15日:春寒や貝の中なる桜貝
2022年02月02日:頬杖に雨音ばかり春隣
2022年01月26日:下京や風花遊ぶ鼻の先
2021年11月30日:冬麗や音が追跡飛行雲
2021年08月10日:蜻蛉の空蜻蛉の空の上
2021年06月13日:忽ちに雑言飛ぶや冷奴
2021年06月12日:若竹や宿の女の朝化粧
2021年06月06日:宵月を蛍袋の花で指す
2021年04月06日:蘖や涙に古き涙はなし
2021年01月18日:愛憎や鮭雑炊の塩加減
2020年12月28日:一湾の眺めを肴年忘れ
2020年12月15日:夢に舞ふ能美しや冬籠
2020年08月30日:秋が来た雑草にすわる
2020年07月14日:甚平や一生とれぬ西訛
2020年07月12日:雷に怯えて長き睫かな
2020年07月07日:涼風を通す柱の黒光り
2020年05月12日:燦燦と日裏日表風若葉
2020年03月06日:春雷や蒲団の上の旅衣
2020年02月21日:新治や沼の古草金色に
2020年02月05日:白梅や墨芳しき鴻臚館
2020年01月28日:母懐ふ老の感傷初不動
2020年01月06日:神の燭仏の燭や松の内
2019年12月05日:犬猫と同じ姿や冬座敷
2019年11月23日:枯蔦や石の館の夜の雨