2020年07月30日

南瓜の花破りて雷の逃ぐる音

西東三鬼(1900~62)

南瓜の花が夏の季語。花南瓜、とうなすの花も同意の季語です。
硬い大きな南瓜を切るのは大変で、つい先日も地産地消といいつつ、近くの農家の大南瓜を切るのに悪戦苦闘しました。
ウリ科の1年草。熱帯アジア原産。茎は中空の蔓状で地面を這っていき、巻きひげで何にでも絡みます。7月ごろ、葉のわきに鮮やかな大きな黄色の花を開きます。南瓜とは主産地のカンボジアが訛ったものと言われています。
この句では、南瓜の花と雷の取り合わせに、不思議な印象を受けますね。
同じ作者に次の句があります。
狂女死ぬのを待たれ南瓜の花盛り  三鬼
哀切な句です。
作者さいとう・さんきの紹介は、2005年1月18日を参照。
(出典:平井照敏編「新歳時記」、河出書房新社、1989年刊)
・新型コロナの国内感染者が初めて1000人を超えて1264人となりました。また、ついに岩手県で初めて2人の感染者が確認されました。国会議員は、国難のコロナ対策を議論する「臨時国会」の開催を行うべきです。政府の対応には限界があります。。

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2020年07月29日

蝉を待つ樹々の深みとなりしかな

永井東門居(1904~90)

蝉が夏の季語。油蝉、みんみん、熊蝉、にいにい蝉、蝉時雨、初蝉、朝蝉、夕蝉なども同意の季語です。
みんみん蝉が鳴き始めました。そろそろ梅雨が明けるのでしょうか。みんみんやにいにい蝉はその名前の通りの鳴き声。じーじーと鳴く油蝉やしゃーしゃーと鳴く熊蝉は、蝉の外観とか鳴き方から名づけられました。それらの多くの蝉が一斉に鳴くのを雨の如く感じて蝉時雨と呼んでいますね。
この句では、樹木の緑が深まるのに合わせて蝉の鳴くのが待ち遠しいと詠っています。蝉は地中に7年ほどいて、成虫になって地上に出ると1週間ぐらいでその役割を終えます。
作者ながい・とうもんきょの紹介は、2006年12月4日を参照。
(出典:角川春樹編「合本 現代俳句歳時記」、角川春樹事務所、2004年刊)
・広島に原爆が投下された直後に放射性物質を含んだいわゆる「黒い雨」を浴びて健康被害を受けたとして、住民らが広島市などに対し、法律で定める被爆者と認めるよう訴えた裁判で、今日判決が言い渡されます。広島地裁がどのような判断を下すか注目されます。

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2020年07月28日

蛍くさき人の手をかぐ夕明り

室生犀星(1889~1962)

蛍が夏の季語。源氏蛍、平家蛍、蛍合戦、蛍火、初蛍、恋蛍なども同意の季語です。
近くの縦貫道下の小川で蛍を見たことがありますが、埋め立てられて姿を見かけなくなりました。
蛍の熱を持たない光は、恋の炎幻想の象徴にもなりますね。蛹からかえった蛍は、草の露だけを吸いながら地上で2週間ほど過ごし、その間に雌雄が互いに光の交信をしながら愛を交わします。まさに光の中で一生を過ごす昆虫です。蛍をつまむと、青臭い匂いが手のひらに残ります。
この句では、夕明りの中で、その蛍をつかんだ人の手をかいでいる作者の動作が印象的ですね。
作者むろう・さいせいの紹介は、2005年6月20日を参照。
(出典:角川書店編「合本 俳句歳時記第三版」、角川書店、2003年刊)
・WHOは、新型コロナの世界全体の感染者の数が過去6週間で2倍近くの1600万人に増え、死者数も64万人に上がるとし、パンデミックが加速し続けていると発表。カナダ、中国、韓国は大規模な感染を抑え込めたと指摘、世界の状況から見て、日本やオーストラリアは比較的感染者の数が少ないとみています。さあ、この後、日本はどうなるのでしょうね。

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2020年07月27日

昼の川知らずいきなり鵜飼見る

山口波津女(1906~85)

鵜飼が夏の季語。鵜匠、鵜舟、鵜籠、荒鵜、疲鵜、鵜篝、鵜縄なども同意の季語です。
鵜飼とは、遠く万葉の時代から行われている鵜を使って鮎を取る漁法のこと。5月から10月にかけて岐阜の長良川や岩国の錦川などが有名で、全国各地の清流で多くの観光客を集めて鵜飼が行われます。今年はコロナ禍と梅雨前線の停滞で実際に行なうのは大変な様子です。鵜飼は夏の夜の風物詩。月明りを避け、満月の前後は行いません。
この句では、昼の川の状態を知らずに、夜真っ暗闇の中、舳先に篝火をたく鵜舟が通り過ぎてゆきます。それも「いきなり」なところに効果がありますね。
作者やまぐち・はつじょの紹介は、2006年6月16日を参照。
(出典:村上 護著「今朝の一句」、講談社、1995年刊)
・昨晩は近くに落雷のせいか、一時停電となりました。すぐに復旧しましたが、そのあとのデジタル家電の時間修正が大変です。今日も西日本から東北にかけて局地的に非常に激しい雨が降るとのこと、広い範囲で大気の状態が不安定。警戒が必要ですね。エンジェルスの大谷選手がアスレティックス戦で先発登板、1回に一死も取れず5失点、負け投手になりました。まあまあ気長にやりましょう。

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2020年07月26日

炎天を来てクーラーに冷さるる

石塚友二(1906~86)

クーラーが夏の季語。冷房、ルーム・クーラーなども同意の季語です。
今年の7月は、梅雨前線の停滞で毎日雨ばかり。エアコンの冷房はまだ一度も動かしていません。変な天気です。それにつれても新型コロナの影響で冷房をした部屋の換気が大事になりますね。
冷房は室内の温度を外気より下げて、涼をとるための機械のこと。ビルやデパート、電車、劇場など、大勢の人が集まるところに設置されているばかりではなく、自動車や一般の家庭でも使われています。
この句は、「炎天」と「クーラー」の季重なり。ここではクーラーが効いています。
作者いしづか・ともじの紹介は、2005年10月9日を参照。
(出典:平井照敏編「新歳時記」、河出書房新社、1989年刊)
・気象庁によると、今日も梅雨前線の影響で、東日本と西日本の太平洋岸を中心に27日にかけて非常に激しい雨が降る恐れがあります。横須賀市でも、朝は晴れていますが、大雨、土砂災害注意報が発令されています。

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2020年07月14日:甚平や一生とれぬ西訛
2020年07月12日:雷に怯えて長き睫かな
2020年07月07日:涼風を通す柱の黒光り
2020年05月12日:燦燦と日裏日表風若葉
2020年03月06日:春雷や蒲団の上の旅衣
2020年02月21日:新治や沼の古草金色に
2020年02月05日:白梅や墨芳しき鴻臚館
2020年01月28日:母懐ふ老の感傷初不動
2020年01月06日:神の燭仏の燭や松の内
2019年12月05日:犬猫と同じ姿や冬座敷
2019年11月23日:枯蔦や石の館の夜の雨
2019年06月19日:栗の花紙縒の如し雨雫
2019年04月10日:春暁や一点燈の大伽藍
2019年01月10日:堀川の水の暗さや宵戎
2019年01月01日:元日や上々吉の浅黄空
2018年12月31日:銭洗弁財天の師走かな
2018年12月25日:雪道や降誕祭の窓明り
2018年12月15日:柊の花に何喰む神の鷄
2018年10月30日:神に水仏に線香秋深む
2018年09月24日:名月や故郷遠き影法師
2018年07月14日:巴里祭厠に残る女の香
2018年05月09日:古溝や只一輪の杜若
2018年03月19日:剪定の腰手拭や一日晴
2018年02月18日:老梅の穢き迄に花多し