2020年11月28日

磯焚火育てて捨ててかへりみず

上田五千石(1933~97)

磯焚火が冬の季語。焚火、落葉焚、朝焚火、夕焚火、夜焚火、焚火跡なども同意の季語です。
焚火は、冬の寒い日に、戸外で暖を取るために落葉や小枝や流木などを集めて炊くことをいいます。
この句では、海などの水際で、暖を取るために、流木などを集めて燃やして、そのまま立ち去った情景が浮かんできますね。焚火跡が黒々として残っているのを見るのは、冬のわびしさを感じます。特に、漁師などが浜辺でするものを「磯焚火」といい、海から帰って体を温めたりして、独特の趣がありますね。
作者うえだ・ごせんごくの紹介は、2005年1月19日を参照。
(出典:平井照敏編「現代の俳句」、講談社学術文庫、1993年刊)
・新型コロナウイルスの感染拡大を受けて、東京の23区と多摩地域で、酒を提供する飲食店などに対する営業時間の短縮の要請がなされました。要請に従った外食チェーンもある一方で、通常営業を続けるところもあり様々です。特に、普通の居酒屋の営業は、とても難しい大変な状況になっています。

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2020年11月27日

走る走る走るラグビーの男

秋山巴之流(1941~2007)

ラグビーが冬の季語。ラガーも同意の季語です。
ラグビーの季節となりましたね。先日も早稲田大学と慶応大学の試合があり、それなりに面白いものでした。正式にはラグビー・フットボール。サッカーから派生した競技です。この名前はイギリスのラグビー・スクールの学生が始めたことによります。楕円形の革製のボールを奪い合い、持ったりけったりしながら相手の陣地のゴール内に手で付ける(トライ)ことで得点になります。寒さをぶっとばす男性的なスポーツですね。
この句では、ボールを持った選手が一目散にゴールめがけて疾走する姿が浮かんできます。
作者あきやま・みのるの紹介は、2007年8月3日を参照。
(出典:角川春樹編「合本 現代俳句歳時記」、角川春樹事務所、2004年刊)
・新型コロナウイルスの世界の感染者は6071万人、死者は142万人。感染者は6月末に1000万人を超えた後、増加のペースは早くなっています。感染者の最も多いのはアメリカ、次いでインド、ブラジル。
フランスなどヨーロッパの感染状況は深刻で再度の都市封鎖が長期化しています。日本ももっと本腰で取り組まないと大変なことになります。

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2020年11月26日

手袋の手を振る軽き別れあり

池内友次郎(1906~91)

手袋が冬の季語。手套、革手袋、手覆いなども同意の季語です。
今冬は暖かいせいかまだ手袋をしている人にお目にかかっていません。手袋は、冬の間に手を寒気から防ぐためのもの。その種類は多く、素材は、皮、毛糸、メリヤス、絹などがあります。色も黒や赤や茶など様々。働くときは木綿の軍手が良くつかわれます。昔は、高位高官の宮女、騎馬の時の女性、婚姻の新婦、巫女などはみな手覆いをしていたといわれています。
この句では、手袋をしている人が軽く手を振って別れをしている、と詠っています。それを作者は「軽き別れ」と感じています。どのような場面でしょうね。
作者いけうち・ともじろうの紹介は、2007年3月7日を参照。
(出典:平井照敏編「新歳時記」、河出書房新社、1989年刊)
・サッカーJ1は、川崎フロンターレがガンバ大阪を破り、優勝。2年ぶり3回目でJ1史上最速。サッカーのレジョンド、マラドーナが60歳で亡くなりました。日本シリーズは、巨人が史上初のシリーズ2年連続4連敗。日本シリーズ4連覇をしたソフトバンクの強さばかりが目立ちましたね。

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2020年11月25日

金網にボールがはまり冬紅葉

川崎展宏(1927~2009)

冬紅葉が冬の季語。残る紅葉も同意の季語です。
紅葉の盛りは晩秋ですが、錦木のように冬になってもまだ色をとどめているものもありますね。周囲の枯れ色の中でまだ残る紅は、冷気の強まってくる初冬にひときわ強い印象を受けます。気候温暖な三浦半島では、秋に紅葉をしないで冬になって紅葉するものも多くみられます。
この句の情景は、冬紅葉になった公園で、金網にテニスボールの挟まっているのを見かけたことがあります。実際、テニスコートでなくしたボールを拾わずにプレーを続ける人が多くみられます。その結果、ボールを大事にしない人は試合でも負けることが多いようですね。
作者かわさき・てんこうの紹介は、2006年2月21日を参照。
(出典:石 寒太編「よくわかる俳句歳時記」、ナツメ社、2010年刊)
・50年前の今日、三島由紀夫が自死した日。俳句では、三島忌、憂国忌、由紀夫忌などと呼ばれています。ちょうどそのころは、東京の杉並区高円寺南に住んでいて、雑誌編集の仕事に行っても一日中落ち着かない気分でした。

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2020年11月24日

叱るほか言葉を知らず蜜柑むく

木村蕪城(1913~2004)

蜜柑むくが冬の季語。温州蜜柑、紀州蜜柑、伊予蜜柑、蜜柑山、蜜柑狩、柑子蜜柑なども同意の季語です。
我が家で今、食べている蜜柑は伊予蜜柑と熊本蜜柑です。蜜柑といえば、冬の果物の代表で、ふつう温州蜜柑を指します。ミカン科の常緑広葉樹で、柑橘類では日本で最も好まれています。種類は、世界の温帯から熱帯にかけて900種以上あるといわれています。品種は多いのですが、日本では早生温州、本温州に大別され、春近くまで店頭に出回ります。
冬の果物としてなじみ深いものだけに、一家団らんや子供のころの思い出を詠んだ句が多くみられますね。ここでも、蜜柑をむきながら思わず子供を叱っている親の姿をとらえています。
作者きむら・ぶじょうの紹介は、2007年8月3日を参照。
(出典:角川春樹編「合本 現代俳句歳時記」、角川春樹事務所、2004年刊)
・3連休で多くの方々が外出して、2~3週間後にどれだけの感染者を生むか心配ですね。地球温暖化では、WMO=世界気象機関が、原因となる二酸化炭素など3種類の温室効果ガスの世界の濃度が、去年、いずれも観測史上最も高くなったことを発表。地球温暖化の傾向がさらに高まったことが示されています。

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2020年08月30日:秋が来た雑草にすわる
2020年07月14日:甚平や一生とれぬ西訛
2020年07月12日:雷に怯えて長き睫かな
2020年07月07日:涼風を通す柱の黒光り
2020年05月12日:燦燦と日裏日表風若葉
2020年03月06日:春雷や蒲団の上の旅衣
2020年02月21日:新治や沼の古草金色に
2020年02月05日:白梅や墨芳しき鴻臚館
2020年01月28日:母懐ふ老の感傷初不動
2020年01月06日:神の燭仏の燭や松の内
2019年12月05日:犬猫と同じ姿や冬座敷
2019年11月23日:枯蔦や石の館の夜の雨
2019年06月19日:栗の花紙縒の如し雨雫
2019年04月10日:春暁や一点燈の大伽藍
2019年01月10日:堀川の水の暗さや宵戎
2019年01月01日:元日や上々吉の浅黄空
2018年12月31日:銭洗弁財天の師走かな
2018年12月25日:雪道や降誕祭の窓明り
2018年12月15日:柊の花に何喰む神の鷄
2018年10月30日:神に水仏に線香秋深む
2018年09月24日:名月や故郷遠き影法師
2018年07月14日:巴里祭厠に残る女の香
2018年05月09日:古溝や只一輪の杜若
2018年03月19日:剪定の腰手拭や一日晴