2018年07月15日

柴折つて焚きし飯食ふ裸子と

細見綾子(1907~97)

裸子(はだかご)が夏の季語。裸、素裸、丸裸、裸身、真つ裸なども同意の季語です。
夏は、暑さをしのぐために、衣服を脱いで、裸になることの多い季節ですね。裸になること自体は夏には限りませんが、季語としては、暑さをしのぐためになる裸を指しています。
この句は、飾らない普段の生活を日常に使う言葉で表現しています。作者は43歳で初めて子供を設けました。その子供へのありようは、若い母親とは違ったものがあったのかもしれませんね。
この句の作られた時期は戦後まもなくで、赤ん坊のために、柴を折って、薪として炊飯をしている庶民の生活の一端が見えてくるようです。
作者ほそみ・あやこの紹介は、2005年3月19日を参照。
(出典:村上 護著「今朝の一句」、講談社、1995年刊)
・W杯サッカー3位決定戦は予想通り。ベルギーがイングランドを2対ゼロで下しました。あとは優勝決定戦。クロアチアに勢いがありますが、フランスの勝ちと予想しています。今日も猛烈な暑さ、熱中症に警戒を!

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2018年07月14日

巴里祭厠に残る女の香

岸田稚魚(1918~88)

巴里祭(ぱりさい)が夏の季語。パリー祭も同意の季語です。
1789年7月14日、パリ市民がバスチーユ牢獄を占拠し解放して、フランス革命のきっかけとなったことを記念して、フランスでは国の祭日になっています。「カトルズ・ジュイエ(7月14日祭)」と言いますね。同名の映画を日本で上映するときに「パリ祭」と訳したことからこれが日本人に好まれて使われるようになりました。フランスではバスチユーユ広場を中心に国全体が夜通し飲み食い踊ります。
そこで、この句はパリ祭の騒動の末に、厠(トイレ)は女性の匂いが充満している、と皮肉っていますね。
今年は、W杯サッカーのフランス代表チームとクロアチア代表との決勝戦が16日の行われることもあって大変な盛り上がりを見せることでしょうね。
作者きしだ・ちぎょの紹介は、2005年7月1日を参照。
(出典:角川春樹著「合本俳句歳時記」、角川春樹務所、1998年刊)
・この暑さはどうしたことでしょうね。各地で猛暑日になるとの予想です。横須賀も35度とか。熱中症にならないために休息をよくとるようにしましょう。いま全国で高校野球が真っ盛り。事故が起きなければいいのですが…。

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2018年07月13日

名をへくそかづらとぞいふ花盛り

高浜虚子(1874~1959)

へくそかづら(屁糞葛)が夏の季語。灸花(やいとばな)、五月女葛(さおとめばな)なども同意の季語です。
アカネ科の蔓性多年草。日本を含む東南アジアが原産地。藪や林地などに自生して、葉は長形で先端がとがって、対生しています。蔓は伸びて他の物に絡みます。筒形で外側が白、内側が紅紫色の小さな花をつけますね。この花の形が火をつけたもぐさのように見えるところからこの名前があります。へくそかづらが正しい植物名で、その名前の如く茎や葉に悪臭がします。
何とも奇妙な名前の植物です。俳人もこの名前に興味を惹かれて面白い句に仕立てています。花盛りがぴったりですね。
作者たかはま・きょしの紹介は、2005年1月7日を参照。
(出典:平井照敏著「新歳時記」、河出書房新社、1989年刊)
・西日本豪雨から1週間。今回の災害、複数の要因が重なって記録的な豪雨になったとみられます。地球温暖化の影響が次々と現れて、地球は新しい時代に入ったとみられます。お互いに自然の動向に注意して生きてゆきましょう。

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2018年07月12日

朝曇り生きるかなしさ人に会ふ

河野多希女

朝曇りが夏の季語。
夏になり晴天が続いているとき、朝だけ曇ることがあります。これは、朝、夜の陸風と昼の海風が交代して、温度の低い卯も風が、前日の日照りによって蒸発していた水蒸気を冷やすためですね。朝曇りのある日は日中良く晴れて炎暑の日となります。「旱(ひでり)の朝曇」と言って、朝曇りは昼から暑くなる兆しと言われていますね。
この句では、人はいくら暑くなると言っても生きるためには、仕事の約束を果たすためには、人に会わねばなりません。それを作者は悲しさととらえていますね。繊細な感情の句ですね。
作者こうの・たきじょの紹介は、2008年10月7日を参照。
(出典:角川春樹著「合本俳句歳時記」、角川春樹務所、1998年刊)
・W杯サッカーの準決勝、イングランドにクロアチアが延長で勝利。これでフランスと決勝戦。面白くなりそうですね。それにしてもクロアチア人のタフさには驚きです。

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2018年07月11日

片蔭を行き遠き日のわれに逢ふ

木村蕪城(1913~2004)

片蔭(かたかげ)が夏の季語。日蔭、夏蔭、夏山蔭、片かげり、片影
なども同意の季語です。
太陽の照り返しがまばゆ過ぎて、目をつぶりたくなるような炎暑を歩く時があります。夏の散歩は日蔭が頼りです。片蔭とは夏の日蔭のこと。午後になると、街並みや塀や家の蔭に日蔭ができます。暑いので人々はこの日蔭を選んで通り、時に一息ついたりします。これは木陰などよりも、街並みや家々の蔭をさしますね。
この句では、作者の遠い日の若いときの同じような経験がふっとよみがえった、と詠っています。
作者きむら・ぶじょうの紹介は、2007年8月3日を照。
(出典:宇多喜代子他編「日本の歳時記」小学館2012年刊)
・タイの洞窟で遭難した少年ら13人は全員救出されました。多くの人の祈りが天に通じましたね。さて、西日本の豪雨被害は時間の経過とともに拡大、それに被災地は、今日も厳しい暑さに見舞われています。こちらは、これからがますます大変ですね。

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2018年05月09日:古溝や只一輪の杜若
2018年03月19日:剪定の腰手拭や一日晴
2018年02月18日:老梅の穢き迄に花多し
2017年10月26日:空山へ板一枚を荻の声
2017年06月16日:葛桜男心を人問はば
2017年01月14日:八十の媼と遊ぶ女正月
2016年12月10日:武蔵野の雀と親し冬柏
2016年06月22日:美しき緑走れり夏料理
2016年05月28日:童らに空の花なる立葵
2016年04月09日:少年の髪白みゆく桜狩
2016年04月07日:鶯の次の声待つ吉祥天
2016年04月05日:花曇小雀の嘴の苔一片
2016年02月08日:山里や男も遊ぶ針供養
2016年01月12日:裏白や齢重ねし父と母
2016年01月06日:楽想を失ひ手毬唄漂ふ
2015年12月24日:懐妊や金銀灯し聖誕樹
2015年12月04日:凩や馬現れて海の上
2015年11月24日:初冬の竹緑なり詩仙堂