2012年05月20日
濃き墨のかはきやすさよ青嵐
橋本多佳子(1899~1963)
青嵐(あおあらし)が夏の季語。風青し、夏嵐、夏の嵐なども同意の季語です。
5月の青葉の頃に吹きわたるやや強い風。万緑を吹く風で、青葉、青草を拭きゆるがせる印象が青嵐の青からよく伝わってきます。語感は爽やかです。ほとんどは南の風。
以前に、石原慎太郎たちが「青嵐会」というやんちゃなグループを作ったことがあります。青嵐と言うイメージはそのほうが強いかも知れません。またぞろ「日本維新の会」を作ろうとしていますが、どうなることやら。
この句は、硯で墨をすっていたときに、外では、青嵐が梢の緑をふきあげています。墨がすぐに乾くという光景です。青と黒の対比が素晴しく映ります。
作者はしもと・たかこの紹介は、2005年1月25日を参照。
(出典:平井照敏編「新歳時記」河出文庫、1989年刊)
・5月場所はまれにみる混戦。誰が優勝するか興味津津。満員御礼連発、相撲協会はウハウハ。明日は朝に金環日食。
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2012年05月19日
柿若葉つるべの音の今はなし
大串 章
柿若葉が夏の季語。
横須賀市西公園の柿の木の若葉は萌黄色で、つやつやと光っていてとても美しい姿をしています。初夏の陽を受けて風に揺れている若葉は柔らかく明るく見えます。
木々の新緑の中でも柿の若葉の色は特にすぐれてまぶしく感じられます。日常、どこにでも見られる爽やかな光景です。
この句のように、このごろは井戸から水をくみ上げている家庭が少なくなってきて釣瓶の音も聞かなくなったと慨嘆していますね。
NHKの朝ドラ「梅ちゃん先生」では、ポンプで水をくみ上げている風景が映し出されています。懐かしいですね。
作者おおぐし・あきらの紹介は、2006年10月3日を参照。
(出典:角川春樹編「合本現代俳句歳時記」、2004年刊)
・昨日は板橋区で京谷秀夫さんの告別式、出棺のとき、雷鳴が轟きました。今日は横浜で句会。
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2012年05月18日
ひそひそと竹のささやく五月かな
戸板康二(1915~93)
五月が夏の季語。五月来る、五月尽、聖五月も同意の季語です。
竹は、筍を生むために養分をとられて春先になると葉が黄ばみはじめます。これを竹の秋といい、初夏になると竹落葉になってゆきます。ときを同じくして、筍は若竹へと成長して交代のときを迎えます。
この句のように、ひそひそとささやいているのは、若竹の葉と散って行く葉の会話をしているようにも見えますね。
作者といた・やすじは、東京芝の生まれ、大学在学中に折口信夫の影響を受けました。演劇雑誌の編集者を経て独立し、歌舞伎評を一般の人にもわかるように解説。随筆、小説を多く著しました。俳句は1939(昭和14)年ごろからはじめ文人会の常連でした。
(出典:村上 護著「今朝の一句」講談社、1995年刊)
・11時から板橋区蓮根の舟渡斎場で京谷秀夫さんの告別式が行われます。朝早くから出発せねば。
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2012年05月17日
黄昏や蕗茹でる水すぐ沸きて
岸田稚魚(1918~88)
蕗(ふき)が夏の季語。蕗の葉、蕗の広葉も同意の季語です。
蕗に油揚げをまぜた煮物が食卓にのぼりました。季節の食べ物ですね。北海道ではよく蕗取りに出かけました。
葉柄の上品な香りが好まれる食用植物です。苦味がかすかにして糸のような筋など、日本料理の代表的な材料。
蕗は早春に土から花茎が出ます。これが蕗の薹で伸びて白い花を咲かせます。花とは別に、長い柄の大きな葉を出し、よい香りなので葉柄を食用にします。
この句は、夕方の台所の料理のひとこまをよくとらえています。蕗を茹でている音まで聞こえてくるようですね。
作者きしだ・ちぎょの紹介は、2005年7月1日を参照。
(出典:角川春樹編「合本現代俳句歳時記」、2004年刊)
・テキサスは暑い。ダルビッシュはがんばっています。
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2012年05月16日
すずらんのリリリリリリと風に在り
日野草城(1901~56)
すずらん(鈴蘭)が夏の季語。君影草、リリーも同意の季語です。
すずらんは、故郷北海道の花。
ユリ科の多年草。北のほうの山すそや高原に野生し、北海道の十勝地方や八ヶ岳は自生地として知られています。
蘭の字が当てられていますが、蘭の仲間ではありません。姿が愛らしく可憐で、またすてきな匂いがして香水の原料にもなります。盛りには白い釣鐘型の小花をたくさんつけます。ヨーロッパ原産のドイツ鈴蘭が多く見られます。
この句の決め手は「リ」。なんと六つも並べてリズムを作っています。風に揺れている清純な鈴蘭の姿が眼前に浮んできますね。
そういえば「鈴蘭娘」と言う表現がありました。
作者ひの・そうじょうの紹介は、2005年1月9日を参照。
(出典:平井照敏編「新歳時記」河出文庫、1989年刊)
・今日は今年一番の暑さになりそうです。そんな予感がします。
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