2020年01月23日

雑炊も人のなさけもさびしかり

河野南畦(1913~95)

雑炊が冬の季語。おじや、鶏雑炊、鴨雑炊、河豚雑炊、鮟鱇雑炊、鮭雑炊、鱈雑炊、餅雑炊なども同意の季語です。
雑炊というのは、残った味噌汁やすまし汁に冷や飯を入れて煮たものを言います。白米から煮たてて味をつけ、野菜や魚、鶏の肉を加える芹雑炊、葱雑炊、芋雑炊、卵雑炊もありますね。鍋物を囲んだ後に残った汁で作る雑炊はとても美味しくて冬には欠かせないものです。
この句では、その雑炊を人の情けと合わせて「さびしい」と詠んでいます。作者は、戦争直後の荒廃の中で俳句の抒情を追求しました。
作者こうの・なんけいの紹介は、2005年7月21日を参照。
(出典:「合本 俳句歳時記第三版」角川書店、2003年刊)
・中国の新型ウイルス肺炎で死者17人、患者が540人以上ということが発表されています。共産党独裁国家は市民の声が聞こえないようですね。ひとたび感染が広がれば抑制するのは大変難しいのがよくわかります。あいにく春節で民族大移動。どうなるのでしょうね。

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2020年01月22日

寒木瓜のほとりにつもる月日かな

加藤楸邨(1905~93)

寒木瓜(かんぼけ)が冬の季語。冬木瓜、冬の木瓜も同意の季語です。
冬に咲く木瓜の総称。バラ科の落葉低木。原産地は中国。木瓜はふつう春に開花しますが、これは寒中に咲く木瓜のこと。日当たりの良い庭や鉢植えの木瓜が冬の寒さにも負けずに花を咲かせます。園芸上では、緋木瓜の別称を寒木瓜と言っています。木瓜には、白木瓜、緋木瓜、更紗木瓜などがあります。
この句では、寒木瓜の咲いているほとりに、月日が知らず知らずに積ってゆくと表現しています。しみじみとした光景をよくとらえた句ですね。
作者かとう・しゅうそんの紹介は、2005年1月22日を参照。
(出典:青柳志解樹著「俳句の花(上)」、創元社、2008年刊)
・トランプの弾劾裁判が始まりました。それを逃れてスイスの「ダボス会議」に出席。そこでは環境問題で若者代表のグレタさんと地球温暖化で対立。馬鹿な大人の役割を発言し、失笑を買っていますね。

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2020年01月21日

スナックに煮凝のあるママの過去

小沢変哲(1929~2012)

煮凝(にこごり)が冬の季語。煮凍(にこごり)、凝鮒なども同意の季語です。
煮凝は、煮魚を汁とともに寒い夜に置いておくと、魚も汁もこごりかたまります。魚は小魚や切り身を使い、特に骨にはゼラチンが多く含まれているためによくこごりますね。また、わざわざ方形の容器に魚と煮汁を流し込み、寒い夜に、あるいは冷蔵庫で固めることもあります。とても美味しいものです。
この句は、作者が最初に作った句でとても趣がありますね。スナックのママの過去まで想像をたくましくするなど、風流の何かをよく知っているところに感心しました。
作者おざわ・へんてつは、東京生まれ、本名・正一。舞台、ラジオ、映画、テレビなどで幅広く活躍。同時に、民衆芸能の民俗学研究に道を開きました。俳句は1969(昭和44)年ごろから「東京やなぎ句会」に参加して始まりました。
(出典:小沢正一著「俳句で綴る変哲半世紀」、岩波書店、2012年刊)
・世界経済フォーラムの「ダボス会議」がスイスで始まります。世界の各地から2800人を超すリーダーが集まります。特に、アメリカのトランプ大統領も参加、どのようなスピーチをするか注目されます。今回の会議の主なテーマは、環境問題。

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2020年01月20日

大寒や家のまはりの溝澄みて

桂 信子(1914~2004)

大寒が冬の季語。
今日は、大寒。24節気の一つ。1年の中で一番寒い時季で、ところによっては雪をかき分けたりして、カチカチに凍った道を大学入試センター試験に通った経験のある方も多いと思います。大寒という言葉は、非常に寒いことという意味でも使われます。いずれにしろ、本当に寒い時季ですが、空に早春の光りが何となく感じはじめるのもこの頃ですね。
この句では、普段は気がつかない細かいところに作者の眼が行っています。大寒であればこそ、家の周りの側溝の水が澄んでいる、と詠っています。冷たそうです。
作者かつら・のぶこの紹介は、2005年6月4日を参照。
(出典:「日本大歳時記」、講談社、1981年刊)
・中国の武漢で新型のコロナウイルスによるとみられる肺炎で感染した患者が各地で増えています。全国各地の保健当局が患者の数を公表しないことが問題ですね。24日からは旧正月の「春節」に合わせた大型連休が始まり、人の移動が増えるのが大きな心配となります。

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2020年01月19日

日を経ては褒貶遠し枇杷の花

大島民郎(1922~2007)

枇杷の花が冬の季語。花枇杷、枇杷咲くも同意の季語です。
この花が冬の最中に、ひっそりと咲いているのは風情がありますね。また、甘い香りに誘われて気持ちが暖かくなります。バラ科の常緑高木。毛の生えた茶色の咢におおわれて黄色みを帯びた小さな白い花が密生して咲きます。高みにひっそりと咲き、芳香を放ちますが、あまり嗅ぐことができませんね。
この句の「褒貶(ほうへん)」は、ほめることとけなすことを言います。毀誉褒貶(きよほうへん)」は、悪口を言うこととほめることを指します。この場合、日月が経てば、いいことも悪いことも忘れてゆきます、と詠っています。枇杷の花との連同が効果を上げています。
作者おおしま・たみろうの紹介は、2008年7月26日を参照。
(出典:角川春樹著「合本俳句歳時記」、角川春樹事務所、1998年刊)
・大リーグでは、このところパソコンなどを使った「サイン盗み問題」が浮上し、アストロズのヒンチ監督、レッドソックスのコーラ監督、メッツのベルトラン監督などが解任され、まだまだ影響が広がりそうです。アメリカ議会も問題を注視し、大リーグの運営に支障をきたす気配が濃厚です。スポーツはフェアプレイ出なければなりませんね。

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2020年01月06日:神の燭仏の燭や松の内
2019年12月05日:犬猫と同じ姿や冬座敷
2019年11月23日:枯蔦や石の館の夜の雨
2019年06月19日:栗の花紙縒の如し雨雫
2019年04月10日:春暁や一点燈の大伽藍
2019年01月10日:堀川の水の暗さや宵戎
2019年01月01日:元日や上々吉の浅黄空
2018年12月31日:銭洗弁財天の師走かな
2018年12月25日:雪道や降誕祭の窓明り
2018年12月15日:柊の花に何喰む神の鷄
2018年10月30日:神に水仏に線香秋深む
2018年09月24日:名月や故郷遠き影法師
2018年07月14日:巴里祭厠に残る女の香
2018年05月09日:古溝や只一輪の杜若
2018年03月19日:剪定の腰手拭や一日晴
2018年02月18日:老梅の穢き迄に花多し
2017年10月26日:空山へ板一枚を荻の声
2017年06月16日:葛桜男心を人問はば