2019年01月19日

自画像のその前にあり寒卵

加藤三七子(1925~2005)

寒卵が冬の季語。寒玉子も同意の季語です。
寒中の鶏卵を言います。鶏卵は、牛乳とともに理想的な栄養食品。寒中にはほかのときよりも特に栄養に富んでいて、また産卵期にもなっていて値段は安く売られていますね。その上、寒卵の場合は特に生のまま飲んで栄養を吸収しようとします。寒の卵ということで栄養価の高い卵とされています。
この句では、その寒卵がただぽんと自画像の前におかれているというだけで様々なことが考えられ、想像力をかきたてます。これは清貧でしょうか。貧しくても、気持ちだけは高いということが伝わってきます。
今日から明日は、大学入試センター試験。
作者かとう・みなこの紹介は、2005年4月12日を参照。
(出典:「新版・俳句歳時記(第二版)」、雄山閣、2003年刊)
・トランプの元弁護士が、偽証は大統領の指示によると発言。こんがらがった糸を元に戻すのは大変ですね。早く大統領を弾劾してくださいよ。

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2019年01月18日

初観音紅梅焼のにほいかな

川端茅舎(1897~1941)

初観音が新年の季語。
今日は、初観音。1月18日は、観世音菩薩のその年はじめての縁日であり、この日は、各地の観音様に参詣することを初観音と言い、慈悲救済の仏である観音様に、福寿を祈ります。東京では浅草観音、京都では清水観音が特に知られていますね。
この句では、「紅梅焼」が取り上げられています。紅梅焼は、小麦粉と米粉に砂糖をまぜて、かためにねり、薄く延ばして梅花状に押しぬき、鉄板に胡麻油を塗って焼いたせんべいのことを言います。年はじめに、観音様を拝みに行った境内で、紅梅焼の匂いがして、ふくよかな気持ちにさせる、と詠っています。きっと浅草の観音様でしょうね。
作者かわばた・ぼうしゃの紹介は、2005年2月15日を参照。
(出典:平井照敏著「新歳時記」、河出書房新社、1989年刊)
・日立がイギリスの原発計画を凍結しました。これは官邸主導で推進していた原発の輸出が世界の潮流を読み誤ったことによる
安倍政権の責任ですね。原発に関して、日立、東芝、三菱重工3社の再編も必要となってきましたね。

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2019年01月17日

外套のなかの生ま身が水をのむ

桂 信子(1914~2004)

外套(がいとう)が冬の季語。オーバーも同意の季語です。
今日は、阪神震災忌。1995(平成7)年1月17日、午前5時46分にM7.2の大地震発生。震源地は淡路島から神戸市にかけての地域。死者6434人。哀悼の意を表します。
そこで選んだのが掲句。外套という言葉は、明治の17,18年ごろ、羅紗製のトンビ、引き回し、二重廻しなどが流行したときに、その総称として使われたと言われています。今は防寒用に洋服の上に着ますが、時代とともに変化していますね。以前は、厚手のウール、毛皮などを用い、ゆったりとした長いものが用いられていました。現代では暖房が進歩したために、薄く短いものになっています。
この句は、外套を着た人が生身の体で仕方なく水を飲むと詠っています。どのような切迫した状況なのでしょうね。
作者かつら・のぶこの紹介は、2005年6月4日を参照。
(出典:倉橋羊村著「私説現代俳人像」(上)(東京四季出版、1998年刊)
・阪神・淡路大震災から24年。時が過ぎるとともに被災した人たちの高齢化が進んで、震災を知らない世代が増えてゆくなかで、当時の記憶や教訓を継承して、これから起こるであろう南海トラフの巨大地震への備えをどうするかが課題となっています。

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2019年01月16日

能楽堂出て蠟梅の香に佇てり

加古宗也

臘梅(ろうばい)が冬の季語。蠟梅。唐梅、南京梅なども同意の季語です。
この花の良さは1本の木に限ります。淡い花とともに、その香りのよさが特筆されます。ロウバイ科の落葉低木。原産地は中国。高さは2~3メートルほどで、根元から多くの幹を立てて枝分かれし、1月ごろに葉のない枝の上に香りの高い花を開きますね。名前の由来は蝋細工に似た花が梅と同じころに咲くからと言われています。梅の字を当てていますが、梅とは関係ない植物です。
この句では、能を観賞して、能楽堂を出たら、馥郁(ふくいく)と蠟梅の香りが佇(たっ)ている、と詠っています。情景が良くわかりますね。
今日は、歌会始。平成天皇はどのような歌を詠んでいるのでしょうね。
今日は、やぶいり。
作者かこ・そうやの紹介は、2013年12月28日を参照。
(出典:「合本 俳句歳時記第三版」角川書店、2003年刊)
・稀勢の里が引退、崖っぷちから落っこちてしまいましたね。ご苦労様。今場所は大関陣が総崩れで関脇、小結が活躍しています。若い連中が大いに身体を動かして、土俵を盛り立ててほしいものです。

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2019年01月15日

女正月磯に夏柑ころげ出て

中 拓夫(1930~2008)

女正月(めしょうがつ)が新年の季語。女正月(おんなしょうがつ)も同意の季語です。
元日を中心とする大正月を男正月というのに対して、15日を中心とする小正月を女正月としています。女正月は、一般には暮から正月にかけてずっと忙しい日々を送ってきた女性が、このあたりでほっと一息を突く、と受け止められていますね。もともとの考えはともかくとして、何やらこのほうに実感があります。また地方によっては正月最後の日の二十日を女正月とするところもあります。
この句では、女正月を迎えて、海岸に夏ミカンが転がっているというだけで女正月の雰囲気が伝わってきますね。
今日は、小正月。三浦市三崎のちゃっきらこ。
作者なか・たくおの紹介は、2008年12月3日を参照。
(出典:「日本大歳時記」、講談社、1981年刊)
・稀勢の里がいよいよ崖っぷち。このまままでは休場、引退となります。出処進退は自分で決めるしかありません。それにしても気持ちが先行して身体がいうことを聞いてくれません。勝負事は可哀そうと思われたらおしまいですね。

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2019年01月10日:堀川の水の暗さや宵戎
2019年01月01日:元日や上々吉の浅黄空
2018年12月31日:銭洗弁財天の師走かな
2018年12月25日:雪道や降誕祭の窓明り
2018年12月15日:柊の花に何喰む神の鷄
2018年10月30日:神に水仏に線香秋深む
2018年09月24日:名月や故郷遠き影法師
2018年07月14日:巴里祭厠に残る女の香
2018年05月09日:古溝や只一輪の杜若
2018年03月19日:剪定の腰手拭や一日晴
2018年02月18日:老梅の穢き迄に花多し
2017年10月26日:空山へ板一枚を荻の声
2017年06月16日:葛桜男心を人問はば
2017年01月14日:八十の媼と遊ぶ女正月
2016年12月10日:武蔵野の雀と親し冬柏
2016年06月22日:美しき緑走れり夏料理
2016年05月28日:童らに空の花なる立葵