2022年09月25日

吾亦紅霧が山越す音ならむ

篠田悌二郎(1899~1986)

吾亦紅(われもこう)が秋の季語。吾亦紅、我毛香、地楡(ちゆ)、玉鼓なども同意の季語です。
バラ科の多年草。山野に自生し、日の当たるところに多く見られ。高さは70~100センチほど。小さな葉は、楡の葉に似ていて、茎の頂に暗根に暗紅紫色の無弁花をたくさんつけ、上から下へ咲き進みます。若葉は食用し、根は吐血剤になっています。花というよりは桑の実に似ていて、野趣に富み、古くから愛されていますね。
この句では、吾亦紅が咲いている谷間では、霧が山を越すときに音が聞こえるかのような錯覚を起こす、と詠っています。
作者しのだ・ていじろうは、2005年7月26日を参照。
(出典:平井照敏編「新歳時記」、河出書房新社、1989年刊)
・ようやく雨風が収まって太陽が顔をのぞかせています。洗濯物がよく乾きそうです。ところで、エンジェルスの大谷選手がツインズ相手に14勝目を挙げ、200奪三振も達成、200奪三振とホームラン30本は、史上初とのこと。今日も同点になる2点タイムリーヒットを打っています。

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2022年09月24日

鰯雲昼のままなる月夜かな

鈴木花蓑(1881~1942)

鰯雲が秋の季語。鱗雲、鯖雲も同意の季語です。
鰯雲は、巻積雲あるいは高積雲のこと。秋になってよく見られますね。さざ波にも似た小さな雲片の集まりで、この広がりは小さなものも多いのですが、一端が地平線まで伸びていたり、空一面に広がったりしています。魚の鱗のように見えることから鱗雲、鯖の背に見えることから鯖雲ともいわれます。この雲が出ると鯖が集まるともいい、漁師の言葉からきています。
この句では、鰯雲の中に、昼間だというのにお月さんが見える、と詠っています。
作者すずき・はなみのの紹介は、2006年1月27日を参照。
(出典:角川書店編「合本 俳句歳時記第三版」、角川書店、2003年刊)
・台風15号は温帯低気圧に変わりました。この台風は風というよりも雨を多く降らせています。気を付けなければなりませんね。静岡県で猛烈な雨が降っています。ところで、エンジェルスの大谷選手が投げています。相手はミネソタ・ツインズ、強敵です。

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2022年09月23日

海の霧精霊ばつた濡らしたる

宇佐見魚目(1926~2018)

精霊ばつたが秋の季語。飛蝗、きちきち、殿様飛蝗、おんぶばった、はたはたなども同意の季語です。
バッタ科の昆虫の総称。蟋蟀に似ていますが、体が細長く、短い触角を持っています。きちきちとは、飛ぶ時の翅の音から名づけられました。成虫になると、多くの種類が飛びます。しかし、鳴く虫ではありません。
草むらを歩いていると体長の数十倍もの距離を飛んで見せたりします。環境の変化で大群となって移動をし、農作物に被害を与えることもありますね。
この句では、海から上がってくる霧が精霊ばつたを濡らしている、と詠っています。
今日は、秋分の日。
作者うさみ・ぎょもくの紹介は、2006年6月21日を参照。
(出典:「日本大歳時記」、講談社、1981年刊)
・ついに政府・日銀は急速な円安に歯止めをかけるために市場介入を行いましたが、相変わらず先行きは不透明です。市場介入によって損失が出た投資家もいて、さらなる市場介入への警戒感が広がっている一方で、効果は長続きしないとの見方もあります。目が離せませんね。

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2022年09月22日

秋あざみ振りむけば海きららなす

野澤節子(1920~95)

秋あざみ(薊)が秋の季語。
秋に咲く薊は、春や夏に比べていささか色がくすんで見えますね。キク科の多年草。秋薊というのは、秋に咲く薊の意味で、野原薊、山薊、南部薊、富士薊など、その種類は多く、高さが2メートルになるものまであります。なお、秋薊の代表といえば富士薊でしょうね。その名の通り富士山や富士の裾野に多く見られます。
この句では、秋薊の咲いている場所から、振りむいてみれば海がきらめいて見える、と詠っています。
作者のざわ・せつこの紹介は、2005年3月9日を参照。
(出典:青柳志解樹編著「俳句の花 下巻」、創元社、2004年刊)
・今日は朝から私用で連れ合いとお出かけ。3時過ぎに戻ってきました。ところで、日銀が「大規模な金融緩和策維持」を決定しました。
黒田総裁、本当に大丈夫でしょうか。

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2022年09月21日

野茨の実を透く風の過ぎにけり

福田甲子雄(1927~2005)

野茨の実が秋の季語。茨の実も同意の季語です。
バラ科の落葉低木。野茨は、春の白い花も香りが高く清楚な感じがしますが、秋の実も忘れがたい趣がありますね。球形の実は、ごつごつと折れ曲がった枝先に、あっさりとしたつき方をします。この枝ぶり、実のつき方に独特の風情があって、生け花の材料にも良く使われます。実は生薬となり、解熱剤に使われています。
この句では、野茨の実を通り抜けるような風が吹いている、と詠っています。「透く」には、光、風などが通り抜けるという意味があります。
作者ふくだ・きねお紹介は、2006年2月5日を参照。
(出典:平井照敏編「新歳時記」、河出書房新社、1989年刊)
・台風14号が去り、一気に涼しくなりましたね。風邪を引かぬようにご注意ください。ところで、エリザベス女王の「国葬」を行った王室、関係者の努力を称賛します。これまでに見たイベントの中でも特筆に値する一大ページェントでした。

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2022年07月18日:射干の花大阪は祭月
2022年06月29日:禍の薄唇開けて三尺寝
2022年06月18日:叢に鬼灯青き空家かな
2022年03月14日:一人静二人静も裏山に
2022年02月18日:若草や水の滴る蜆籠
2022年02月15日:春寒や貝の中なる桜貝
2022年02月02日:頬杖に雨音ばかり春隣
2022年01月26日:下京や風花遊ぶ鼻の先
2021年11月30日:冬麗や音が追跡飛行雲
2021年08月10日:蜻蛉の空蜻蛉の空の上
2021年06月13日:忽ちに雑言飛ぶや冷奴
2021年06月12日:若竹や宿の女の朝化粧
2021年06月06日:宵月を蛍袋の花で指す
2021年04月06日:蘖や涙に古き涙はなし
2021年01月18日:愛憎や鮭雑炊の塩加減
2020年12月28日:一湾の眺めを肴年忘れ
2020年12月15日:夢に舞ふ能美しや冬籠
2020年08月30日:秋が来た雑草にすわる
2020年07月14日:甚平や一生とれぬ西訛
2020年07月12日:雷に怯えて長き睫かな
2020年07月07日:涼風を通す柱の黒光り
2020年05月12日:燦燦と日裏日表風若葉
2020年03月06日:春雷や蒲団の上の旅衣
2020年02月21日:新治や沼の古草金色に
2020年02月05日:白梅や墨芳しき鴻臚館
2020年01月28日:母懐ふ老の感傷初不動
2020年01月06日:神の燭仏の燭や松の内