2021年11月28日

屏風絵の鷹が余白を窺へり

中原道夫

屏風絵(びょうぶえ)が冬の季語。屏風、金屏風、銀屏風、絵屏風、枕屏風、腰屏風、衝立(ついたて)なども同意の季語です。
屏風は、古く中国から渡ってきたもので、はじめは、銅や木でできた衝立のようなもので、これが屏風に改良されました。その形は、二曲、四曲、六曲などがあって、高さは五尺。二枚一組を一奴といいます。室内を飾るのに金、銀、絵屏風などの豪華なものもありますが、本来は冬の寒い風を防ぐためのものですね。
この句の屏風絵は、鷹が描かれていて、絵の余白を窺っているように見える、と詠っています。
作者なかはら・みちおの紹介は、2007年6月14日を参照。
(出典:角川春樹編「合本 現代俳句歳時記」、角川春樹事務所、2004年刊)
・日本シリーズ第6戦、ほっともっとフィールド神戸の寒空の下、5時間にわたる熱戦も延長12回2対1でついに決着。4勝2敗でヤクルトが20年ぶり6度目の日本一に輝きました。高津臣吾監督の采配が見事でしたね。MVPは中村捕手。守りのかなめとして投手陣をリードした努力は称賛に値します。ヤクルト日本一おめでとう。これで野球のシーズンが終了、また来年を目指して頑張ってください。

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2021年11月27日

町の名の浦ばかりなり冬霞

古賀まり子(1924~2014)

冬霞が冬の季語。冬の霞、寒霞も同意の季語です。
霞は、本来は春の季語ですが、風のない穏やかな冬の日にもたなびきますね。実体は靄(もや)といった方が適切ですが、冬靄よりも冬霞の言葉のイメージから、かたまるというよりは横に広がっている印象の方が強く感じます。空と地面の中間あたりにたなびきまるで春を思わせます。
この句では、町の名前が「浦ばかり」という地域に目をつけ、それに冬霞の取り合わせに新鮮さを感じます。「浦」は、海や湖が湾曲して陸地に入り込んだところ。一般には、海辺、水際を指しています。
作者こが・まりこの紹介は、2005年10月4日を参照。
(出典:角川書店編「合本 俳句歳時記第三版」、角川書店、2003年刊)
・南アフリカで新変異ウイルス「オミクロン株」が確認されたとWHOが発表しました。今回、WHOが南アフリカで確認された新たな変異ウイルスを現在、広まっているデルタ株などと同じ「懸念される変異株」に指定したことで世界的な監視体制が強化されることになります。次々と難問が起こりますね。今日は日本シリーズ第6戦、野球の神様はどのような結末を用意しているのでしょうね。

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2021年11月26日

鉄橋に水ゆたかなる冬日和

飯田蛇笏(1885~1962)

冬日和が冬の季語。冬晴、冬麗、冬晴るる、冬うららなども同意の季語です。
毎年、太平洋側の冬はからりと晴れた日が続きます。日本海側は、冬は晴れた日が少なく、晴れても強い季節風が吹くのでとても寒く感じます。北国はことにそれがはなはだしく、晴天になると人々の心が浮き立ちます。寒さに縛られた人々にとって、思いがけない贈り物に感じる日和ですね。小春といえば冬の初めのころですが、冬日和はそれから後の日和を指しています。
この句では、冬日和の中で、いつもなら冬に涸れたような川の水が豊かに鉄橋の下を流れている、と詠っています。
作者いいだ・だこつの紹介は、2005年6月23日を参照。
(出典:「日本大歳時記」、講談社、1981年刊)
・21日のこの欄で、今年の日本シリーズは、助っ人外人が活躍すると予想しましたが、これまでのところ当たっているようです。第5戦で代打勝ち越しホームランを打ったオリックスのアダム・ジョーンズは2003年から2007年にかけてマリナーズのセンターを守り、イチロー選手の同僚でした。明日の第6戦は神戸です。楽しみですね。

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2021年11月25日

帰り咲いて一重桜となりにけり

阿波野青畝(1899~1991)

帰り咲いてが冬の季語。帰り花、返り花、帰咲、二度咲、忘花、忘咲、狂花、狂咲なども同意の季語です。
植物学的に言えば、自然にある花が何か外からの刺激で、本来の花期以外に咲いたものを「帰り花」といっています。季節は特に限定しませんが、しかしながら春の花が、冬の暖かい日が続いて咲くケースが多く見られ、俳句では冬の季語になっています。草や木でもよく、特に何の花とは決まっていませんが、桜、梅、山吹、躑躅などが取り上げられていますね。
この句では、帰り咲いたのが一重桜だったと詠っています。俳味がありますね。
作者あわの・せいほの紹介は、2005年4月21日を参照。
(出典:辻 桃子監修「俳句の草木」、創元社、2005年刊)
・日本シリーズ、ヤクルトが3勝1敗でオリックスに王手。やはり助っ人のサンタナ、オスナの外人が活躍していますね。ヤクルトの先発投手陣、奥川、高橋。小川、石川が責任をきっちり果たしています。それにしてもサンタナの2試合連続ホームラン。オリックスの捕手、伏見、若月は、連夜、外角高めのストレートを投手に要求し打たれています。工夫が足りませんね。さあ、オリックスはヤクルトの勢いを止められるでしょうか。誰かヒーローが出てこないかしら。

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2021年11月24日

雪虫のゆらゆら肩を越えにけり

臼田亜浪(1879~1951)

雪虫が冬の季語。綿虫、雪蛍、雪婆(ゆきばんば)、大綿虫、大綿
なども同意の季語です。
アブラムシ科の昆虫で、体長は2ミリほど。体に白い綿状の分泌物を持っていて、初冬の風のない日にふわふわと飛んでいます。
北海道や東北地方で晩秋から初冬にかけて白い綿のようなものをつけて飛ぶ小さな虫が見られますね。雪が降りだす季節に無数に飛ぶので、まるで粉雪が舞っているように見えることから「雪虫」とも呼ばれています。
この句では、雪虫が肩の上をゆらゆらと飛んでいると表現しています。
作者うすだ・あろうの紹介は、2005年5月31日を参照。
(出典:石 寒太編「よくわかる俳句歳時記」、ナツメ社、2010年刊)
・日本シリーズ第3戦は、ヤクルトがオリックスに5対4で勝ち、対戦成績を2勝1敗にしました。やはりキーマンは助っ人の外人サンタナの一発でしたね。短期決戦の日本シリーズでは、過去の例を見れば奇数の第3戦、第5戦に勝ったチームが優勝しています。さて、今日はどうでしょうね。投手の継投が勝負の分かれ目です。

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2021年08月10日:蜻蛉の空蜻蛉の空の上
2021年06月13日:忽ちに雑言飛ぶや冷奴
2021年06月12日:若竹や宿の女の朝化粧
2021年06月06日:宵月を蛍袋の花で指す
2021年04月06日:蘖や涙に古き涙はなし
2021年01月18日:愛憎や鮭雑炊の塩加減
2020年12月28日:一湾の眺めを肴年忘れ
2020年12月15日:夢に舞ふ能美しや冬籠
2020年08月30日:秋が来た雑草にすわる
2020年07月14日:甚平や一生とれぬ西訛
2020年07月12日:雷に怯えて長き睫かな
2020年07月07日:涼風を通す柱の黒光り
2020年05月12日:燦燦と日裏日表風若葉
2020年03月06日:春雷や蒲団の上の旅衣
2020年02月21日:新治や沼の古草金色に
2020年02月05日:白梅や墨芳しき鴻臚館
2020年01月28日:母懐ふ老の感傷初不動
2020年01月06日:神の燭仏の燭や松の内
2019年12月05日:犬猫と同じ姿や冬座敷
2019年11月23日:枯蔦や石の館の夜の雨
2019年06月19日:栗の花紙縒の如し雨雫
2019年04月10日:春暁や一点燈の大伽藍