2019年05月15日

夏めいてくる鏡台のあたりより

黛 執

夏めいてくるが夏の季語。夏兆すも同意の季語です。
かの「徒然草」に「をりふしの移り変はるこそ、ものごとにあはれなれ」とあります。私たちは季節の移り替わる時期に、その時々を慈しんできました。夏の初めの時候を表す季語には、初夏、立夏、夏浅し、薄暑などがあります。しかしながら、夏になった心の驚きを表す言葉は「夏めく」が最適でしょうね。実際には、夏は来たのですが、「夏めく」と柔らく表現するところが日本人らしいと見ました。
この句では、そのような気持ちを「鏡台」のあたりの化粧品の変化に気づいて作者は表現しています。良い視点ですね。
今日は、沖縄本土復帰記念日。1972(昭和42)年5月15日沖縄の本土復帰がなされ、沖縄県発足。
今日は、京都葵祭。
作者まゆずみ・しゅうの紹介は、2006年3月22日を参照。
(出典:角川春樹著「合本俳句歳時記」、角川春樹事務所、1998年刊)
・中東のサウジアラビアとイランの対立が厳しくなりました。サウジの原油パイプラインに、イランの支援を受けるイエメンの反政府勢力が無人機による攻撃をした、と発表しました。原油の価格が心配になりますね。

投稿者 m-staff : 09:48 | トラックバック(0)

2019年05月14日

磨かれし馬匂ふなり夏木立

福田甲子雄(1927~2005)

夏木立が夏の季語。夏木、夏木陰も同意の季語です。
木立は、木の群がって生い立ったものを言います。夏になって、青葉や若葉を茂らせて、盛んな木立の様子が浮かんできますね。「夏木」は、一本の木に言います。木立は、「夏木立」「冬木立」「枯木立」とだけ言い、春や秋には言いません。
この句では、農耕馬を水できれいに磨いている風景と夏木立の取り合わせが見事にマッチしています。汗にまみれた馬が嬉しそうになっている光景が浮かんできますね。
作者ふくだ・きねおの紹介は、2006年2月5日を参照。
(出典:平井照敏著「新歳時記」、河出書房新社、1989年刊)
・なんとエンジェルスの大谷選手がツインズ相手に、3回の表に逆転2ランホームランを打ちました。話変わって、週明けのニューヨーク市場は600ドル以上の大幅値下がり、東京市場は400円を超える値下がり。経済界からトランプのやり方にノーを言っています。

投稿者 m-staff : 09:39 | トラックバック(0)

2019年05月13日

夕空に新樹の色のそよぎあり

深見けん二

新樹が夏の季語。新緑、みどり、緑雨、緑さすなども同意の季語です。
新樹は、初夏のころの色の美しい草木の葉のこと。「若葉」には、葉の色や形が感じられますが、「新樹」のほうは、そこまで細部に至っていませんが、緑に染まった景観をとらえていますね。「緑雨」は、新緑のころに降る雨。「緑さす」は、葉の色の鮮やかさに、あたり一面が染まるような状態を意味します。どれも緑が滴るほどの清涼の光景を表しています。
この句では、夕方に新樹の色があたりを染めてしんとした情景を伝えてくれますね。
作者ふかみ・けんじの紹介は、2005年3月31日を参照。
(出典:「日本大歳時記」、講談社、1981年刊)
・ヤンキースの田中将大投手は、レイズ戦に先発して、7回を1失点に抑えて今シーズン3勝目をあげました。母の日のこの日は、田中投手をはじめ両チームの選手全員がピンク色の物を身につけて試合をしました。このところ出来不出来が激しい田中投手は安定感のあるピッチングで今シーズンの成績を3勝3敗にしました。

投稿者 m-staff : 09:42 | トラックバック(0)

2019年05月12日

母の日のルルドマリアを雨浄む

下村ひろし(1904~86)

母の日が夏の季語。
今日は、母の日。5月の第2日曜日で、母の愛に感謝を捧げる日。アメリカの一女性が亡くなった母を偲んで白いカーネーションを配ったことが始まりです。後に「母の日」に制定されて広まりました。亡くなった母を偲ぶものは白、健在の母の場合は紅い花を胸に付けました。日本では大正時代に始まりましたが、盛んになったのは戦後からですね。
この句の「ルルドマリア」のルルドは、フランスのピレネー山脈の北麓にある標高約400メートルにある町の名前。19世紀半ばにこの地の羊飼いの少女ベルナデットが聖母マリアを目撃し、奇跡が起こったという泉があり、今や巡礼地として多くの巡礼者が訪れています。
この句は、そのものずばり、母の日、ルルドマリアの聖地に浄めのための雨が降っています。
今日は、大相撲5月場所初日。
作者しもむら・ひろしの紹介は、2006年8月9日を参照。
(出典:「合本 俳句歳時記第三版」角川書店、2003年刊)
・エンジェルスの大谷選手が5打数2安打。それにしても相手のボルチモア・オリオールズは元気がありません。さて、アメリカで行われた大会で、陸上男子100メートルのサニブラウン選手が9秒99を記録しました。この記録で東京オリンピックの参加標準記録を突破して、さらに面白くなりましたね。

投稿者 m-staff : 09:57 | トラックバック(0)

2019年05月11日

雪解富士幽かに凍みる月夜かな

渡辺水巴(1882~1946)

雪解富士(ゆきげふじ)が夏の季語。五月富士、皐月富士、夏富士、富士の雪解、富士の農男なども同意の季語です。
陰暦五月の富士で、雪が消えかかり、少しずつ夏山らしくなってきた富士山のこと。雪がほとんど消えるのは7月の中旬ころですが、5月ごろから解け始めます。昔から消えのこる雪の形で農作を占いますが、人の形に見えるのを富士の農男と言い、富士の農馬、富士の農鳥などの言葉があります。
この句では、富士の雪が解け始めるころは、幽(ひそか)に月夜が寒々しくなることも多くありますね。
作者わたなべ・すいはの紹介は、2005年2月4日を参照。
(出典:平井照敏著「新歳時記」、河出書房新社、1989年刊)
・アメリカと中国の貿易問題は、言葉を変えて言えば、米中の覇権争い。貿易摩擦は長期化して、世界経済、ひいては日本経済に多大な影響を及ぼしそうですね。

投稿者 m-staff : 09:54 | トラックバック(0)

2019年04月10日:春暁や一点燈の大伽藍
2019年01月10日:堀川の水の暗さや宵戎
2019年01月01日:元日や上々吉の浅黄空
2018年12月31日:銭洗弁財天の師走かな
2018年12月25日:雪道や降誕祭の窓明り
2018年12月15日:柊の花に何喰む神の鷄
2018年10月30日:神に水仏に線香秋深む
2018年09月24日:名月や故郷遠き影法師
2018年07月14日:巴里祭厠に残る女の香
2018年05月09日:古溝や只一輪の杜若
2018年03月19日:剪定の腰手拭や一日晴
2018年02月18日:老梅の穢き迄に花多し
2017年10月26日:空山へ板一枚を荻の声
2017年06月16日:葛桜男心を人問はば
2017年01月14日:八十の媼と遊ぶ女正月
2016年12月10日:武蔵野の雀と親し冬柏