2020年05月29日

青蔦の静かな夜の深みどり

加藤楸邨(1900~64)

青蔦が夏の季語。蔦若葉、蔦茂る、蔦青し、夏蔦なども同意の季語です。
青蔦は、樹木や壁を一面に覆って、夏の強い日差しの中で成長するブドウ科の蔓性落葉植物。日本や中国で見られる青蔦のことを指します。長い柄が2~3に裂けて、葉の面には光沢があり、這い茂る様子は夏の景物。形のよい葉は厚手でつやがあり見ごたえがありますね。
この句では、夏の静かな夜に、壁の古さと青蔦の新しさを対比し、「静かな夜の深みどり」が一層の効果を挙げていますね。
作者かとう・しゅうそんの紹介は、2005年1月22日を参照。
(出典:角川春樹編「合本 現代俳句歳時記」、角川春樹事務所、2004年刊)
・アメリカで新型コロナウイルスに感染して死亡した人が10万人を超えました。コロンビア大学の分析では、トランプ政権による外出制限措置が1週間早ければ、死者数を大幅に抑えられたとしています。アブナイ大統領の責任を追及する声が高まっています。

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2020年05月28日

百合ひらく甲斐駒ヶ岳目を覚まし

福田甲子雄(1927~2005)

百合ひらくが夏の季語。百合、山百合、白百合、鬼百合、姫百合、笹百合、鹿の子百合、鉄砲百合なども同意の季語です。ユリ科の多年草。地下に球状の鱗茎を持っていて、1茎に一つまたは数花を開いて強い香りがします。古くは百合といえば山百合を指し、野生の百合の代表ですね。百合は世界各地に分布しますが、取り分けわが国は百合の王国とも呼ばれています。
この句の「甲斐駒ヶ岳」は、山梨、長野県の県境にあり、南アルプスの北端にある標高2967メートルの山。甲斐駒、東駒とも呼ばれています。この句では、百合の花が開いて甲斐駒ヶ岳が目を覚ました、とその地に住んでいることをわかるような表現をしています。
作者ふくだ・きねおの紹介は、2006年2月5日を参照。
(出典:青柳志解樹編著「俳句の花 上巻」、創元社、2004年刊)
・アメリカのアブナイ大統領は、ソーシャルメディアを閉鎖する可能性を示唆、対決姿勢を強めています。事の発端は、大統領のツイッターへの投稿にツイッター社が事実確認を促す注釈をつけたことによります。これを大統領選挙への介入と怒り、言論の自由に反すると例によって相手を恫喝しています。

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2020年05月27日

さからはず十薬をさへ茂らしむ

富安風生(1885~1979)

十薬が夏の季語。どくだみも同意の季語です。
葉や茎に独特の匂いがあるので嫌われますが、雨降りの庭の隅や木陰に群がり咲く白い十字の花には趣がありますね。
ドクダミ科の多年草。湿地や暗い場所に自生しています。十字形の4枚の苞の真ん中に黄色い小花を咲かせます。白い十字の花は清々しく感じます。古くから薬草として用いられ、「毒痛み」からこの名前が付きました。また、十薬と呼ばれるように、10種の薬効があるとされています。
この句では、悪臭のする十薬を嫌いつつも茂らせている作者の気持ちが伝わってきます。
作者とみやす・ふうせいの紹介は、2005年2月6日を参照。
(出典:「日本大歳時記」、講談社、1981年刊)
・北九州市では、新型コロナウイルスの感染確認が続いたことにより、市の40余りの施設について28日から臨時休館にすることになりました。市長は第2波の入り口に立っていると述べて警戒を呼び掛けています。緊急事態宣言が解除されてもウイルスの感染は続きます。油断大敵ですね。

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2020年05月26日

書架静かなりし卯の花腐しかな

後藤夜半(1895~1976)

卯(う)の花腐(くた)しが夏の季語。卯の花腐(くだ)しも同意の季語です。
旧暦の四月を卯の花月、卯月ともいいます。そのころに卯の花を腐らせるように降り続く雨のことを指します。また、陽暦の5月下旬は天気の悪い日が多く、そのころの曇り空を卯月曇、卯の花曇ともいいます。天候不順に気持ちは重く感じますね。
この句の「書架」は、本棚のこと。そういえば、卯の花腐しのころは、本でも読んで気持ちを落ち着かせるような気分になりますね。
作者ごとう・やはんの紹介は、2005年9月6日を参照。
(出典:角川春樹編「合本 現代俳句歳時記」、角川春樹事務所、2004年刊)
・WHOのテドロス事務局長は、日本の新型コロナウイルスの封じ込めについて「成功している」と評価。しかし、今後も感染者の発見、追跡、治療、隔離するなど、課題も多く存在しているとしています。まったくその通りですね。さて、日本のプロ野球は6月19日にようやく開幕します。アメリカのメジャーリーグは、7月4日の独立記念日に開幕のようです。

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2020年05月25日

緑蔭に並びて薄茶給はりぬ

武原はん女(1903~98)

緑蔭が夏の季語。翠蔭(すいいん)も同意の季語です。
コロナ禍で外出を自粛させられていますが、緑の多い季節は戸外に出て新鮮な空気を吸いたいものですね。「緑蔭に憩う」という表現があります。暑い夏の日を歩いていて木陰に入るとさわやかな涼しさが感じられます。木々の間からのぞく青空、木洩れ日の動き、子供たちの声、ベンチでの語らい、昼寝など、公園の緑蔭は森林浴もかねた憩いの場です。
この句では、仲のよい仲間と緑蔭に憩う作者の明るい喜びが表現されています。「薄茶」が効果を挙げていますね。
作者たけはら・はんじょの紹介は、2005年3月16日を参照。
(出典:角川書店編「合本 俳句歳時記第三版」、角川書店、2003年刊)
・緊急事態宣言が解除された後は政府の「基本的対処方針」に沿って、段階的に社会活動のレベルを引き上げてゆくことや感染が再び拡大する場合に備えて医療体制の維持や検査体制の強化を図ることが盛り込まれています。現在。安倍政権はこれまでにない支持率低下になっています。ここは気を引き締めてしっかり対処してほしいと思います。

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2020年05月12日:燦燦と日裏日表風若葉
2020年03月06日:春雷や蒲団の上の旅衣
2020年02月21日:新治や沼の古草金色に
2020年02月05日:白梅や墨芳しき鴻臚館
2020年01月28日:母懐ふ老の感傷初不動
2020年01月06日:神の燭仏の燭や松の内
2019年12月05日:犬猫と同じ姿や冬座敷
2019年11月23日:枯蔦や石の館の夜の雨
2019年06月19日:栗の花紙縒の如し雨雫
2019年04月10日:春暁や一点燈の大伽藍
2019年01月10日:堀川の水の暗さや宵戎
2019年01月01日:元日や上々吉の浅黄空
2018年12月31日:銭洗弁財天の師走かな
2018年12月25日:雪道や降誕祭の窓明り
2018年12月15日:柊の花に何喰む神の鷄
2018年10月30日:神に水仏に線香秋深む
2018年09月24日:名月や故郷遠き影法師
2018年07月14日:巴里祭厠に残る女の香
2018年05月09日:古溝や只一輪の杜若
2018年03月19日:剪定の腰手拭や一日晴
2018年02月18日:老梅の穢き迄に花多し
2017年10月26日:空山へ板一枚を荻の声