2021年04月06日
蘖や涙に古き涙はなし
中村草田男(1901~83)
蘖(ひこばえ)が春の季語。ひこばゆも同意の季語です。
春先に切り倒された木の根元や切株から萌え出る若芽をいいます。孫生(ひこばえ)の意味で、「ひこばゆ」と動詞形にすることもあります。
ものみな活力にあふれる春には、樹木の切株や根元から芽が次々と伸びだし、その生命力には驚かされますね。また、「なばえ」、「またばえ」ともいい表わされています。ちなみに、古い枝からさらに生えてきた小枝のことを「孫枝(ひこえ)」と呼んでいます。
この句では、蘖の「新生」の力強さと誰もが流す涙を取り上げて、涙は古いものではなく、いつでも新しいものだと喝破しています。
作者なかむら・くさたおの紹介は、2005年1月23日を参照。
(出典:「新版・俳句歳時記第二版」、雄山閣、2003年刊)
・高齢者を対象にした新型コロナウイルスのワクチン接種が12日から始まります。その後は、持病のある人や高齢者施設などで働く人たちにも順次広げられる予定です、政府の政策は後手後手で、国民は振り回されています。感染拡大の「第4波」を抑えて日常生活を取り戻すのはいつになるのでしょうか。まだまだ先は見えませんね。
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2021年04月05日
ヒヤシンスレースカーテンただ白し
山口青邨(1892~1988)
ヒヤシンスが春の季語。風信子も同意の季語です。
ヒヤシンスは春をもたらす代表的な花の一つ。ユリ科の球根多年草。地中海沿岸地方を中心に広く分布する野生種から園芸種が作られました。我が国には江戸時代に渡来し、風信子と当て字をしています。秋に植えた球根は芽を出して冬を越し、春になると20センチほどに伸びた花茎に、ピンク、紅、青紫の小花が集まって咲きます。花は良い香りがしますね。
この句では、当たり前でいて当たり前ではない風景が浮かんできます。病室の中で見舞いに貰ったヒヤシンスが咲いていて、ただもう白いレースのカーテンが白く見えるというだけですが、深見がありますね。
作者やまぐち・せいそんの紹介は、2006年11月8日を参照。
(出典:「日本大歳時記」、講談社、1981年刊)
・エンゼルスの大谷選手がホワイトソックス相手にピッチングをしています。初回は160キロ台のスピードボールを投げていいスタートを切りました。そのあとすぐに2番で打席に立ち、なんと初球をホームラン。すごいことをやっています。この模様は全米にテレビ中継されています。どのような結果になるか楽しみです。
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2021年04月04日
藍微塵みそらのいろと誰が言ひし
深谷雄大
藍微塵(あいみじん)が春の季語。忽忘草(わすれなぐさ)、わするな草、ミヨソティスなども同意の季語です。
しばしば水辺に野生化しているのを見かけます。この花にふさわしい場所ですね。ムラサキ科の多年草。4~5月ころにかけて茎の先に藍色の小さな花を総状に開きます。園芸上では1年草を花壇や鉢に植えています。ミヨソティスは、二十日鼠の耳の意味で、葉の形が似ていることからつけられました。忽忘草の名前は、英語名の花言葉から「フォアゲット・ミー・ノット」を訳したものです。
この句では、「みそらのいろ」と誰かが言った「藍微塵」が効いていますね。まことに忘れがたき名前を表しています。
今日は、清明。24節気の一つ。万物清らかではつらつとした季節という意味。
作者ふかや・ゆうだいの紹介は、2006年11月8日を参照。
(出典:青柳志解樹編著「俳句の花 上巻」、創元社、2004年刊)
・昨日はエンゼルスの大谷選手が今季1号のホームランは見事でしたね。本塁打で今季初安打。5日には投手として先発する予定です。目が離せませんね。日本のプロ野球でDeNAは開幕から2分けを挟み6連敗。そろそろ今日あたり勝ちそうです。外人選手がいないと勝ちきれませんね。
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2021年04月03日
百済観音背高におはし花あしび
鈴鹿野風呂(1887~1971)
花あしび(馬酔木)が春の季語。あせび、あせば、あせみなども同意の季語です。
ツツジ科の常緑低木。3~4月にかけて、小さな壺状の花が房になって垂れます。白のほかに淡い紅色もあり、馬が誤って食べると体がしびれ、酔ったような状態になることからこの名前がつきました。日本の特産で、古典植物の一つ、「万葉集」にも取り上げられていますね。垂れ下がるたくさんの白い花が見事で、さらさらした感じがします。
この句の「百済観音」は、法隆寺の長身の木彫り彩色観世音菩薩立像のこと。一木づくりで、飛鳥時代の代表的な彫刻で、花あしびが風に揺れている様子と背の高い百済観音との動と静の対比が見事な対比を示しています。
作者すずか・のぶろの紹介は、2018年7月17日を参照。
(出典:角川春樹編「合本 現代俳句歳時記」、角川春樹事務所、2004年刊)
・亡くなった俳優の田中邦衛さんと昔、六本木のビルのトイレで連れしょんをしたことを懐かしく思い出します。よーっと声をかけられてドギマギしました。「北の国から」は、テレビドラマの中で秀逸の作品ですね。
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2021年04月02日
小でまりや裏戸より訪ふことに慣れ
高浜年尾(1900~79)
小でまりが春の季語。小粉団の花、小手毬の花、団子花なども同意の季語です。
庭木として全国的に栽培され、優しい姿が愛されていますね。枝の上に五弁の白い花が群がって咲き、その形が小手毬のようで可愛らしく見えます。バラ科の落葉低木。中国が原産地。枝は細くてしなやかで根元から群がって伸びています。
この句では、小でまりの花の姿と裏木戸から隣のお宅にいつものように訪ねるという、日常の生活習慣がぴったりと符合していますね。花の白色が春の陽光にはじけています。
作者たかはま・としおの紹介は、2005年3月21日を参照。
(出典:「新版・俳句歳時記第二版」、雄山閣、2003年刊)
・選抜高校野球の決勝、東海大相模高校は明豊と対戦。門馬監督の采配が見事でしたね。選手を信じてどっしりと構えていましたね。
この大会で一番成長したのは門馬監督かもしれません。大リーグが始まりました。ダルビッシュも前田も投げましたが、勝敗はつきませんでした。
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