2017年11月13日

山茶花が散る冬の地湿りの晴れ

河東碧梧桐(1873~1937)

山茶花が冬の季語。茶梅(さざんか)、姫椿も同意の季語です。
山茶花は小春日和に似合う花ですね。ツバキ科の常緑小高木。原種は白いひなびた花。九州や四国などでは自生しています。観賞用に庭に植えられているのは、ほとんどが園芸種で種類も多くあります。椿に似ていますが葉が細く、鋸歯があり、枝に褐色の毛でおおわれています。椿よりも繊細で清楚な趣が見られます。また、椿のように落花せずに花弁が散ります。色は、白色、紅色、淡紅色のほかに、絞りや八重咲もありますね。
この句は、地面が湿っていて晴れている冬夜の天の川が出ているそばで山茶花が散っているのが見えると詠っています。いささか幻想的な光景ですね。
作者かわひがし・へきごとうの紹介は、2005年3月11日を参照。
(出典:角川春樹著「合本俳句歳時記」、角川春樹事務所、1998年刊)
・イラクとの国境に近いイラン西部でM7.3の大地震。多くの家屋が倒壊して死者も100人以上、今後どれだけ被害が広がるか心配されます。地震活動の活発な地域で過去にも大被害が出ています。

投稿者 m-staff : 09:34 | トラックバック(0)

2017年11月12日

盃を止めよ紅葉の散ることよ

高野素十(1893~1976)

紅葉の散るが冬の季語。紅葉散る、散紅葉も同意の季語です。
秋の紅葉且つ散るから、冬の紅葉散るに、季節は動いて行きます。紅葉は美しく散ることもあり、泥まみれに張り付いていることもあり、美しい紅葉の行方は様々です。紅一色に見えても、その中に風霜の気が込められていたり、あるいはまた、山深い渓流を次々と流れ去る紅葉。秋から冬へ様々な思いを込めて時は移ろいゆきますね。
この句では、お酒を飲んでいるのでしょうか。紅葉の散る姿を、しばし盃を止めてみてはいかがですか、と言っているようです。
今日は、大相撲九州場所初日。
作者たかの・すじゅうの紹介は、2005年2月23日を参照。
(出典:平井照敏著「新歳時記」、河出書房新社、1989年刊)
・長引く低金利政策によって、銀行の経営環境が厳しくなってきています。みずほフィナンシャルグループが2026年度までに全体の4分の1に当たる約19,000人の人員削減を計画。さらに三菱UFJや三井住友などもこれに続きます。これにはITを使ったフィンテックが店舗削減に拍車。効率化が一段と進みますね。

投稿者 m-staff : 09:42 | トラックバック(0)

2017年11月11日

美しき銀杏落葉を仰ぐのみ

星野立子(1903~84)

銀杏落葉が冬の季語。
銀杏はイチョウ科の落葉高木。銀杏は、秋に黄葉して、少しずつ散ってゆきますが、霜がふったり、強い風が吹いたりすると、急に散り終わったりしますね。銀杏の大木や並木が裸で立っているのは壮観です。銀杏の落葉はほかの木よりも遅く始まりますが、黄色の葉が印象的です。降りしきり落ちつくす様子は冬の始まりを知らせますね。街路樹には銀杏がもっとも多く、神社や寺の境内にも巨木が多く見られます。
この句では、銀杏落葉が巨木から降っているのを作者は仰いで、その美しさを愛でている様子が伝わってきますね。
作者ほしの・たつこの紹介は、2005年2月9日を参照。
(出典:「日本大歳時記」、講談社、1981年刊)
・昨晩から強い風が吹いています。北の方でいたずら低気圧が発生して日本列島をかき回しているようですね。寒暖の激しい季節ですから、どうぞ風邪をひかないようにご自愛ください。

投稿者 m-staff : 09:59 | トラックバック(0)

2017年11月10日

あはれさやしぐるる頃の山家集

山口素堂(1642~1716)

しぐ(時雨)るるが冬の季語。時雨、朝時雨、夕時雨、小夜時雨、村時雨、北時雨、横時雨、片時雨、時雨雲、時雨傘なども同意の季語です。
冬の初めのころ、晴れていたかと思うとさっと降り忽ち上がってしまう雨のこと。降る時刻によって、朝、夕、小夜時雨などと呼びます。「村時雨」は、ひとしきり降る時雨、「片時雨」は、一方では晴れているのに一方では降る時雨、「横時雨」は、横なぐりの時雨を言います。
この句では、作者の師松尾芭蕉は、時雨の降るころに亡くなりました。ために芭蕉忌を時雨忌とも言います。そのころになると生前に愛読した西行の「山家集(さんかしゅう)」を、故人をしのぶよすがとして読むと言います。作者は親友でもあった芭蕉を追悼していることがわかりますね。
作者やまぐち・そどうの紹介は、2005年6月7日を参照。
(出典:村上 護著「きょうの一句」、新潮社、2005年刊)
・世界が注目する米中首脳会談、トランプと習近平の戦いはどちらに軍配が上がったのでしょうか。報道を見る限りでは、習近平の方でしょうね。トランプの性格や性質を研究していることがよくわかりますね。

投稿者 m-staff : 09:17 | トラックバック(0)

2017年11月09日

この世この生あるかぎり霜の屋根

倉橋羊村

霜の屋根が冬の季語。霜の花、霜の声、深霜、霜夜、霜晴、霜日和、霜凪、大霜、強霜、濃霜なども同意の季語です。
地表面の温度が零度以下になると、大気中の水蒸気が、地面や屋根、草木などに触れて凍り、細かい氷の結晶になりますね。これが霜で、針状や板状などの形になります。
この句は、冴え冴えとした寒気に包まれた静かな夜に、霜が結晶化してゆくようなときに、見下ろせば様々な生活を営んでいる人々の屋根にも霜が降りている、と詠っています。
作者くらはし・ようそんの紹介は、2006年7月21日を参照。
(出典:石 寒太著「よくわかる俳句歳時記」、ナツメ社、2010年刊)
・今朝は冬型の気圧配置で、7合目まで雪を載せた富士山がくっきりと姿を見せています。今日は米中首脳会談、北朝鮮に対してどのような対応を話し合うのか注目されます。安倍首相はAPECに出席のためにベトナムへ出発します。

投稿者 m-staff : 09:32 | トラックバック(0)

2017年10月26日:空山へ板一枚を荻の声
2017年06月16日:葛桜男心を人問はば
2017年01月14日:八十の媼と遊ぶ女正月
2016年12月10日:武蔵野の雀と親し冬柏
2016年06月22日:美しき緑走れり夏料理
2016年05月28日:童らに空の花なる立葵
2016年04月09日:少年の髪白みゆく桜狩
2016年04月07日:鶯の次の声待つ吉祥天
2016年04月05日:花曇小雀の嘴の苔一片
2016年02月08日:山里や男も遊ぶ針供養
2016年01月12日:裏白や齢重ねし父と母
2016年01月06日:楽想を失ひ手毬唄漂ふ
2015年12月24日:懐妊や金銀灯し聖誕樹
2015年12月04日:凩や馬現れて海の上
2015年11月24日:初冬の竹緑なり詩仙堂
2015年09月11日:踏切を流れ退く秋出水
2015年09月07日:蜩や暗しと思ふ厨ごと
2015年07月09日:水中に夕日爛熟花蓮
2015年05月15日:花に朴人にはありし志
2015年02月17日:磔像の全身春の光あり