2020年08月04日

夜景とは愁ひの灯かや夏の果て

鈴木真砂女(1906~2003)

夏の果てが夏の季語。夏終る、夏過ぐ、夏果、夏行く、夏惜しむ、夏の名残なども同意の季語です。
暦の上では夏は終わりますが、新型コロナの影響で暑さを楽しむまでもなく時間が過ぎてゆきますね。
7日の立秋が近づくにつれて、いつもでしたら朝晩が涼しくなり、日の光も白くなってきて、夏も終わりに近づいたことを知ることになります。しかしながら、夏休み、帰省、避暑、旅行、登山、行楽とままならぬ時を過ごした夏は、名残惜しさを感じることもなくただ通り過ぎてゆきます。
この句では、夏の果てるのにあたって、いつもは見慣れた夜景さへ、愁いの灯に見えている、と詠っています。
作者すずき・まさじょの紹介は、2005年1月16日を参照。
(出典:角川書店編「合本 俳句歳時記第三版」、角川書店、2003年刊)
・アブナイ大統領がちょっかいを出すと混乱するばかりです。中国企業が提供するアプリ「TikTok」について、マイクロソフトによる買収交渉に余計な手出しをしています。今後の交渉次第ではどうなるかわかりません。行方が注目されますね。

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2020年08月03日

たべのこすパセリのあをき祭かな

木下夕爾(1914~65)

祭が夏の季語。神輿、渡御、山車、祭笛、祭髪なども同意の季語です。
新型コロナの影響で、今年は祭がほとんど中止になっていますね。季語では祭といえば夏祭りを指します。平安時代には、祭といえば京都の上賀茂神社、下鴨神社の賀茂祭を指し、それ以外の神社の祭を夏祭としていました。夏祭は農耕と結びついたものではなく、疾病、虫害、風水害などの災難が起こす、怨霊や疾神を鎮めるために行われました。そのため神輿の渡御を中心に、山車の練り物行列、祭笛、祭太鼓で盛り上げる華やかな祭りが行われるようになりました。
この句では、食べ残したパセリの青さを思い浮かべながら、夏祭を偲んでみたらいかがでしょうか。
作者きのした・ゆうじの紹介は、2006年5月23日を参照。
(出典:角川春樹編「合本 現代俳句歳時記」、角川春樹事務所、2004年刊)
・東京都は、会食を通じた新型コロナウイルスの感染を防ぐために。酒を提供する飲食店などに対し、3日から今月末まで、営業時間を午後10時まで短縮するよう要請します。結果から原因がわかればすぐ対応するのが行政の仕事。知恵を絞って対処してください。

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2020年08月02日

菩提樹の花のもとにてことば失せ

八幡城太郎(1912~85)

菩提樹の花が夏の季語。
シナノキ科の落葉高木。日本でいう菩提樹は中国産で、仏教とともに渡来したものを指します。名前にちなんで神社や仏閣の境内に植えられていて、夏になると、葉の付け根からへら状の苞を出して、その先から長い柄が垂れて、淡い黄色の小花が数個集まって開き、かすかな香りがします。紛らわしいのですが、仏教上の「菩提樹」は、インド産のクワ科の常緑高木でインド菩提樹といい、観葉植物として栽培されています。
この句の作者は、相模原市の出身で、青柳寺(せいりゅうじ)の住職。菩提樹の花の下では、あまりの尊さに言葉を失ってしまうほどだ、と詠っています。
作者やはた・じょうたろうの紹介は、2007年12月14日を参照。
(出典:青柳志解樹編著「俳句の花 下巻」、創元社、2004年刊)
・プロ野球もサッカーのJ1でも新型コロナに怯えながら試合を進めています。何しろ人が多く集まる場所では必ずと言っていいほど感染者が生まれています。当分の間は人の集まるところへの参加は気をつけましょう。梅雨が明ければ今度は台風への備えに入ります。

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2020年08月01日

炎天のうしろこゑなきひとりごと

石原八束(1919~98)

炎天が夏の季語。
世界も日本もコロナに振り回されている間に8月になってしまいましたね。
炎天とは、真夏の灼けつくような太陽の下の天気をいいます。
この言葉の響きは「炎帝(えんてい)」を連想させます。その連想からはすさまじさを想起させ、白熱の陽光の下にあるすべての人、すべてのものに対して威圧感を与えます。
この句は、灼熱の太陽の下、作者はあまりの暑さに声も出ないでひとりごとを心の中で漏らしています。作者は外形写生だけではなく内面の詩心と結びつく俳句をと、内観造形論を提唱しました。生と死のはざまの声のない独り言はすさまじいことでしょうね。
作者いしはら・やつかの紹介は、2005年4月5日を参照。
(出典:阿部誠文著「輝ける俳人たち・大正編」、邑書林、1996年刊)
・ようやく梅雨が明けそうですね。7月は気象庁が統計を取り始めた昭和26年以来、初めて台風が来なかった月となりました。その代わり、連日雨に降りこめられて気分の落ち込む日が続きましたね。洗濯物が乾かなくていつも湿った衣装をまとっていた印象です。梅雨が明けると強烈な暑さが待っています。

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2020年07月31日

みんみんに急かされ梅雨の明けにけり

榊原風伯

みんみんが夏の季語。蝉、熊蝉、にいにい蝉、初蝉、朝蝉、夕蝉、夜蝉、蝉時雨なども同意の季語です。
みんみん蝉は、体長が3~3.5センチで大形。黒地に緑の斑紋があり、翅は透明で緑色の翅実役があります。「みいんみいん」と鳴きますね。日本全国や中国に分布しています。
今年は梅雨前線が停滞して、各地に豪雨をもたらし、特に九州地方、東北地方に損害を与えています。関東甲信越地方もいまだ梅雨が明けていません。
横須賀地方でみんみん蝉が鳴きだしたのは7月22日。いつもの年よりも2週間ぐらい遅くなっています。この急くような鳴き声を聞いていると梅雨が上がってしまうような錯覚を覚えます。天気予報では、8月2日ごろに梅雨明けるようです。今年の梅雨は蝉の鳴き声で退散する気がしてきました。
・台湾の民主化に尽力し、親日家としても知られる李登輝元総統が30日に亡くなりました。97歳。香港やマカオが万が一、直接統治される状況になれば、台湾はどのように対応すべきか、世界が注目しています。作家の司馬遼太郎との対談でその人柄のすばらしさに感銘しました。合掌。

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