2019年07月21日

水音の萍ひとつ離れをり

山上樹実雄(1931~2014)

萍(うきくさ)が夏の季語。萍の花、浮草、根無し草なども同意の季語です。
ウキクサ科の多年草。浮いている草というところから萍の名前がありますが、根はあります。ただし、水底にはついていません、水面に浮いた葉状体という部分の長さが小さく、3~5個つながっています。夏になると小さな白花をつけますが、水面を漂っているため、なかなか目にする機会がありませんね。
この句では、水音がする流れの中で、一つだけ浮草が離れていると詠っています。人間の集団の中で、一つだけ群れから離れて流されてゆく萍を連想します。
作者やまがみ・きみお紹介は、2005年4月16日を参照。
(出典:平井照敏著「新歳時記」、河出書房新社、1989年刊)
・今日は参院選の投票日。選挙は何があっても必ず行くようにしています。今の政治に対して不満だらけですが、それが国民としての義務と思い、明日を信じて、権利を行使します。

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2019年07月20日

ふかぶかと沁みたる雨や土用入

木津柳芽(1892~1978)

土用入(どよういり)が夏の季語。土用、土用明、土用前、土用中、土用太郎、土用次郎、土用三郎なども同意の季語です。
陰陽五行説では、春は木、夏は火、秋は金、冬は水が支配するとし、各季節の終わりを土が支配するとしています。これが土用で1年に4回あるとされています。夏は小暑後13日から立秋までで、夏の土用だけが一般に土用と言われ、もっとも暑さが激しく、士気が盛んなときですね。土用に入りの日が土用太郎、2日目が土用次郎、3日目が土用三郎と呼びます。
この句では、土用入の日の士気の盛んなときに、深々とした雨が沁みるように降っている、と詠っています。
作者きづ・りゅうがの紹介は、2007年8月13日を参照。
(出典:角川春樹著「合本俳句歳時記」、角川春樹事務所、1998年刊)
・京都アニメの放火事件、狭い事務所にガソリンをぶちまけて火を付ければ大惨事になることは自明の理。犯人の精神状態を思い、誰も止めることができない悲しさに唖然とします。現在、NHKの朝ドラで「なつぞら」が放映されています。アニメーターの生態を垣間見ることができます。亡くなった方々の無念が伝わってくるようです。

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2019年07月19日

夏霧に薄日さしたる深山草

飯田龍太(1920~2007)

夏霧が夏の季語。夏の霧も同意の季語です。
このところの雨続きで、普段には見ることの少ない夏の霧が発生したりしています。霧と言えば秋の季語ですが、山地や海辺では夏の霧が発生することがあります。大気中の水蒸気の量が多く、対流が盛んになるためで、海辺では気温と水温の差が大きくなる時に起こります。また例えば、盆地などでは8月になると霧が多く発生します。
この句では、甲州の山地の夏の霧をとらえて、夏霧の中で、深山草に薄日が差してきた、と詠っています。幻想的な光景が浮かんできます。
作者いいだ・りゅうたの紹介は、2005年1月31日を参照。
(出典:「日本大歳時記」、講談社、1981年刊)
・京都のアニメーション制作会社で放火事件。死者33人、重軽傷35人。ガソリンとみられる液体をまいて火をつけ、爆発的な火災が起きて、多くの犠牲者を生みました。どうしてこのような放火が起きたか、原因究明が急がれます。また、事件を防ぐための備えの状態はどうであったのでしょうか。事件で亡くなられたみなさまに合掌。

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2019年07月18日

蝸牛おのが微光の中をゆく

千代田葛彦(1917~2003)

蝸牛(かたつむり)が夏の季語。蝸牛(かぎゅう)、かたつぶり、ででむし、でんでんむしなども同意の季語です。
陸生の巻貝。2~3センチほどの渦巻形の貝殻を背負い、植物の葉を食べるため農業害虫とされています。日中は葉陰や木陰にひそみ、雨天や夜間になると現れて活動します。湿気を好み、梅雨期の雨後などによく見られましたが、いまでは急激に減少していますね。
この句のポイントは、「おのが微光」。自らの姿のわずかな光の中で、ただ黙然として動いている姿が印象的です。
蝸牛は、どこか明るく、童心がよみがえりますね。
作者ちよだ・くずひこの紹介は、2006年1月7日を参照。
(出典:阿部誠文著「輝ける俳人たち」、邑書林、1996年刊)
・大リーグ、カブスのダルビッシュ投手は、レッズ戦に先発し、6回無失点で4月以来、81日ぶりの勝ち星となる今シーズン3勝目を挙げました。勝ち星に恵まれずに苦しんでいたことが嘘のような素晴らしいピッチングでした。長いトンネルを抜けてチームの信頼が戻るように願います。

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2019年07月17日

まひまひやかはたれどきの水明り

村上鬼城(1865~1938)

まひまひ(鼓虫)が夏の季語。水澄し、渦虫、大鼓虫、まいまい虫、かいもちかきなども同意の季語です。
池沼や野川の水面に、くるくると輪を描きながら乱舞する小さな黒い虫を「まいまい」と言います。あめんぼと混同されますが。昆虫学的に誤りで、水澄しが学名です。まいまいは、水面に浮いている草に憩いますが、水中にもぐり、水上に出ることもあります。
この句の「かはたれどき」は、夕方の薄暗い時刻のことで、薄暗くて彼は誰か、はっきりわからない時分に、まいまいの池の水面をいそがしく動く様子が浮かんできますね。
同じ作者に次の句があります。
まひまひや深く澄みたる石二つ  鬼城
池の底に際立っている石が二つあるというだけで、動と静の対比が的確ですね。
作者むらかみ・きじょうの紹介は、2005年2月16日を参照。
(出典:角川春樹著「合本俳句歳時記」、角川春樹事務所、1998年刊)
・大相撲の安美錦引退。今場所2日目の新十両・竜虎との一戦をテレビで見ていました。右ひざが崩れるように敗れて、翌日から途中休場。毎場所、右ひざなどにサポーターをしていて、まことに痛々しい限りでした。20年以上にわたって土俵生活をつとめた勇気に敬意を表します。今後は親方として後輩の育成に期待します。

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