2022年09月30日

頂きのアンテナ鈍色山粧ふ

榊原風伯

山粧(よそお)ふが秋の季語。秋の山、秋嶺、秋山なども同意の季語です。
遠くまで空気の澄んでいる秋は、山の襞までも鮮やかに見えて美しく感じます。山が化粧をしたように見えるところから、この季語が生まれました。
毎日、眺めている裏の武山は、標高が200メートル、幕末の開国のころには多くの人が登って、黒船を見たとの記録が残っています。その武山の頂上にはアンテナがあって、日を浴びて鈍色(にびいろ)に見えます。設置されてから幾星霜を経たものと思われます。
秋の山の美しさの中で、鈍い色を放つアンテナの無機質さを対比させて見ました。
・プーチンは、爬虫類の眼を持った男。ウクライナの南部、東部の4州を「独立国家」として一方的に承認する大統領令に署名、ますます混乱の事態に突入しています。「国家」とは一体何なのでしょうね。ところで、これからエンジェルスの大谷選手がアスレチックス相手に15勝目を目指して登板します。

投稿者 m-staff : 09:53 | トラックバック(0)

2022年09月29日

母追うて走る子供の手に通草

橋本鶏二(1907~90)

通草(あけび)が秋の季語。木通、通草の実、山女(やまひめ)なども同意の季語です。
アケビ科の落葉蔓性低木。山野に自生しています。秋に熟す実は6~7センチほどで果皮は厚く、熟すと縦に開いて黒い種を含み、食べると甘い白い果肉が現れます。あけびは、開け実、または開けつびの意味からきています。
この句では、母に駄々をこねて叱られた子が、泣いて母を追ってゆく様子が伝わってきますね。子どもの手にはしっかりと通草が握られています。子どもにしてみれば、母親も大事ですが、食べたい通草も大事です。子どもの手にあるものは「母親」が取ってくれたものですから、そこは母の愛がもたらしたもの。これは何気ない日常の「母子賛歌」と作者はとらえました。
(出典:清水哲男著「「家族の俳句」歳時記」、主婦の友社、2002年刊)
・今日は横浜へ連れ合いとお出かけ。

投稿者 m-staff : 07:35 | トラックバック(0)

2022年09月28日

天よりも地のよく晴れて唐辛子

綾部仁喜(1929~2015)

唐辛子が秋の季語。南蛮、鷹の爪、南蛮胡椒なども同意の季語です。
ナス科の1年草。熱帯アメリカが原産地。日本には16世紀ごろ渡来。晩秋のころになると色づいてきて熟します。とても種類が多く実の形など大小さまざまですね。摘み取って干し、香辛料にします。辛み成分の多少によって、辛み種と甘み種があります。私の嫌いなピーマンは獅子唐辛子の一種。
この句では、天空よりも地上の方がよく晴れていて、それにピッタリなのは、唐辛子と詠っています。ピリ辛の句ですね。
作者あやべ・じんきの紹介は、2019年8月15日を参照。
(出典:石 寒太編「よくわかる俳句歳時記」、ナツメ社、2010年刊)
・武道館での安倍さんの葬儀は「御大層」でしたね。長々と礼が続いて、参列者は本当にくたびれたでしょうね。菊の献花が4200余り、会場は菊の香りに包まれたことでしょう。非業の死を遂げた安倍さん、ゆっくりお休みください。合掌。

投稿者 m-staff : 10:11 | トラックバック(0)

2022年09月27日

葉鶏頭のいただき躍る驟雨かな

杉田久女(1890~1946)

葉鶏頭(はげいとう)が秋の季語。鴈来紅(がんらいこう)、かまつかなども同意の季語です。
ヒユ科の1年草。インドが原産地。茎は直立し、1.5メートルにも達します。花は目立たず、葉は黄、淡紅から紅、緑の3色となって、秋に温度が下がるに連れてさらに色を増します。鴈の来る頃に深い紅になるので、鴈来紅と呼びます。黄色になる鴈来黄もありますね。花ではなく、美しく色づく葉を観賞します。
この句では、葉鶏頭の鶏冠の辺りに雨が急に降りだしそれも急に病んでしまった、と詠っています。驟雨とは、急に降ってすぐ止むにわか雨を指します。
作者すぎた・ひさじょの紹介は、2005年1月26日を参照。
(出典:「新版・俳句歳時記第二版」、雄山閣、2003年刊)
・安倍元首相の国葬、天気が良い一日になりそうです。午後2時から千代田区の武道館に4300人が参列します。多くの国から「弔問」のために要人が訪れています。無事に終わることを祈ります。

投稿者 m-staff : 09:38 | トラックバック(0)

2022年09月26日

母と子に厨しづけし秋茄子

大野林火(1904~82)

秋茄子(あきなすび)が秋の季語。あきなす、名残なすも同意の季語です。
昔から「秋茄子は嫁に食わすな」という諺があるように、秋茄子には特別の思いがありますね。秋茄子の特徴は小粒ですが実がしまり、皮も薄くて、色は紫紺を極めていて、季節の名残として尊重されています。単なる茄子は夏の季語です。
この句では、母親と娘が台所で、何やら秋茄子を前に静にしていると詠っています。秋茄子の料理の仕方を教わっているのでしょうね。
今日は。彼岸明け。
作者おおの・りんかの紹介は、2005年6月13日を参照。
(出典:角川春樹編「合本 現代俳句歳時記」、角川春樹事務所、2004年刊)
・セ・リーグは、ヤクルトが2年連続、9回目の優勝を成し遂げました。コロナ禍のもとでいろいろ苦労がありましたが、先行逃げ切りましたね。あとはクライマックスシリーズ、日本シリーズが待っています。明日は安倍元首相の国葬、都内は厳重警戒、近寄らいことですね。

投稿者 m-staff : 09:53 | トラックバック(0)