2021年12月03日

路傍の石に夕日や枯すすき

泉 鏡花(1873~1939)

枯すすき(芒)が冬の季語。枯薄、芒枯る、枯尾花、冬芒なども同意の季語です。
冬枯れの筆頭はやはり芒でしょうね。それまで美しかった穂も冬になると枯れ切ったわびし気な姿になります。「枕草子」の「草の花は」では、「冬の末まで頭のいと白くおほどれたるも知らず、むかし思ひで(頭が白くざんばらになっているのにも気づかず昔なつかしげに)」とやや苦い感想を述べて、枯芒を老人にたとえて記述しています。
この句の「路傍」は、「みちばた」と読みます。枯芒のわびしさと道端の石に夕日が当たっている、と写実的にとらえ詠っています。
作者いずみ・きょうかの紹介は、2020年11月22日を参照。
(出典:角川春樹編「合本 現代俳句歳時記」、角川春樹事務所、2004年刊)
・地震のニュース。3日午前2時18分、山梨県大月市で震度4。午前6時37分同じく大月市で震度5弱。富士五湖の下、約20㎞でナマズがうごめいています。富士山の活動は「特段変化なし」と気象庁が会見をしました。

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2021年12月02日

日輪のがらんどうなり菊枯るる

橋本鶏二(1907~90)

菊枯るるが冬の季語。枯菊、菊枯るも同意の季語です。
秋に咲き誇っていた菊が冬になって枯れてしおれている様子をいいます。菊は枯れても花は散らず、茎や葉もしおれつつ、なお立ち尽くしている姿には、哀れさとともに、ある種の風情を感じます。枯れ切った菊を切って火にくべると、独特の香りが漂います。冬になっても咲き残っている菊を残菊といいますが、花期の長い菊は残菊から枯菊への緩やかな推移も趣がありますね。
この句の「がらんどう」とは、広々としてがらんとしている状態のこと。冬の太陽は、弱弱しく照っている中で、わびしくも菊が枯れている、と詠っています。
作者はしもと・けいじの紹介は、2010年9月21日を参照。
(出典:「日本大歳時記」、講談社、1981年刊)
・新しい変異ウイルス、オミクロン株の感染は、日本を含め世界の26の国と地域で確認されているそうです。国土交通省は航空会社に日本に到着する国際線で新たな予約を停止するように要請。海外で暮らす日本人の中には年末の一時帰国を断念せざるを得ない人も多くいます。必要な措置としても大変な状況ですね。

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2021年12月01日

凩や海に夕日を吹き落とす

夏目漱石(1867~1916)

凩が冬の規模。木枯も同意の季語です。
とうとう師走になりましたね。新型コロナのオミクロン株で世界中がピリピリしています。
凩は、冬になって吹く強い風で、木を吹き枯らすという事から「木枯」ともいいます。「凩」は国字で、「嵐」意味する「几」と「木」を組み合わせたもの。この風が吹くと木々の枝が鳴り、木の葉を吹き飛ばし、人々は冬の訪れを実感します。木枯は冬の初め頃、北風、寒風は冬の半ば以降と使い分けが必要とされます。
この句では、凩が吹いて海へ夕日を吹いて落とすと活写しています。
今日は、映画の日、歳末助け合い運動開始、世界エイズデーなど。
作者なつめ・そうせきの紹介は、2005年2月17日を参照。
(出典:石 寒太編「よくわかる俳句歳時記」、ナツメ社、2010年刊)
・ちょうど20年前の今日、田中靖政先生の古希を記念して大学で記念講演会を開催しました。特別講師に田原総一朗氏を招いて満員の会場は大いに沸きました。また、その日は天皇皇后両陛下の長女・愛子様が誕生した日でもありました。あれから20年、愛子様はこのたび成年皇族になられました。

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2021年11月30日

冬麗や音が追跡飛行雲

榊原風伯

冬麗(とうれい)が冬の季語。冬晴、冬日和、冬晴るる、冬うららなども同意の季語です。
11月になって小春日和の日もありますが、それを過ぎたころになると穏やかな冬日和が続くことがあります。太平洋側は晴れ、日本海側は雪の天気が続きますが、時々、風もなくなり、穏やかに晴れます。冬の日差しの中で、ものみなうららかにくつろいだ気分になりますね。
そのような時、晴れ渡った冬青空の中、頭上に午後2時の定期便、ジェット旅客機が現れ、東から西へ、富士山の方へ飛んで行きます。旅客機、飛行雲、音の順番にあるようです。ジェット機の出す音がまるで飛行雲を追いかけているように感じました。
・大谷翔平選手が、今シーズン最も活躍した指名打者に贈られる「エドガー・マルティネス賞」に選ばれました。この賞を日本選手が受賞するのは初めてです。エンジェルスの選手としても初めてです。大谷選手は、ア・リーグMVP,プレイヤーズ・チョイス賞、シルバー・スラッガー賞、オールMLBなどこれで11冠となり、フィナーレを飾りました。

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2021年11月29日

父とありし日の短さよ花柊

野澤節子(1920~95)

花柊(はなひいらぎ)が冬の季語。柊の花も同意の季語です。
11月から12月にかけて、葉の付け根に5ミリぐらいの白い小花がたくさん集まって開きます。とげとげしい葉に似合わずに花は優しく見えます。モクセイ科の常緑小高木。関東以西の山地に自生していますが、芳香が喜ばれて庭園や生垣に植えられていますね。葉は濃緑色で光沢があって、堅くて鋭いとげがあります。
この句では、花柊の花を見ていて、若くして亡くなった父の面影を偲んでいます。あたりにいい香りがしています。
作者のざわ・せつこの紹介は、2005年3月9日を参照。
(出典:平井照敏編「新歳時記」、河出書房新社、1989年刊)
・新型コロナウイルス「オミクロン株」の感染が世界各地で確認されています。次々と生まれる新たな変異ウイルスはとどまることを知りません。南アフリカで確認された「オミクロン株」は、オランダ、イギリス、ドイツなどヨーロッパに加え、オーストラリアでも確認されています。日本でもアフリカ南部からの入国制限を発動しなければなりませんね。

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