2020年01月28日

母懐ふ老の感傷初不動

富安風生(1885~1979)

初不動が新年の季語。
今日は、初不動。裏の標高200メートルの武山の不動尊で「初不動」が行われます。武山不動院の正式な名前は「龍塚山持経寺武山不動院」と言います。不動尊は、不動明王のことで、大日如来が、悪魔を降伏させるために憤怒の姿になって現んじたものと言われています。形相恐ろしく、右手に剣、左手に索を持ち、二人の童子を従えています。関東では、成田山新勝寺の不動尊が有名で、他に深川、目黒の不動尊も多くの人出で賑わいますね。
この句の作者は、初不動の日に、いささか年を取り感傷的なって、元気であった頃の母親の姿を懐(おも)い出しています。
作者とみやす・ふうせいの紹介は、2005年2月6日を参照。
(出典:「日本大歳時記」、講談社、1981年刊)
・政府は、新型コロナウイルス肺炎を「指定感染症」に認定、また「検疫感染症」にも指定しました。「指定感染症」への指定は、2014年中東呼吸器症候群「MERS」以来となります。感染症対策は厄介な病気ですね。

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2020年01月27日

そのあたりほのとぬくしや寒牡丹

高浜虚子(1874~1959)

寒牡丹が冬の季語。冬牡丹も同意の季語です。
丹精を込めて咲かせた寒牡丹の花は、小さくかわいらしいですね。ボタン科の落葉低木。原産地は中国の西北部からヒマラヤ地方。牡丹は、初夏のものですが、栽培によっては冬に咲かせることができます。日本人ならではの風雅の追求です。春に蕾を摘んで、初秋のころには葉を取るなどすると、花芽が急に発達して、冬の間に蕾を持つようになります。
この句では、厳寒期に寒牡丹の咲いているのを見ると、その辺りは、ほのと温いように思われる、と詠っています。ほっこりしますね。
作者たかはま・きょしの紹介は、2005年1月7日を参照。
(出典:平井照敏著「新歳時記」、河出書房新社、1989年刊)
・初場所の土俵はやくも荒るるかな  久保田万太郎
昨日の徳勝龍の初優勝は上の句の通り。両横綱が休場すれば優勝争いの行方は混とんとして、まさに群雄割拠となり、誰が優勝してもおかしくない状況です。それにしても相撲のレヴェルというか、質は落ちましたね。

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2020年01月26日

寒林を出てかなしみのいつかなし

三橋鷹女(1899~1972)

寒林(かんりん)が冬の季語。寒木(かんぼく)も同意の季語です。この季語は、冬木立と同義で使いますが、「かんりん」という語感はより強い響きを持っていますね。森閑とした静けさの中に、凛とした寒気が伝わってきます。同時に、冬木立よりも奥行きのある状景を想像させてくれます。寒中の林というよりは、厳冬期の林というべきでしょう。
この句では、何か悲しいことがあった作者が寒林を抜けてみれば、いつしかその悲しみが抜けて晴れ晴れしい気持ちになった、と詠っています。最近は、冬木立よりは多用される季語です。
作者みつはし・たかじょの紹介は、2005年2月26日を参照。
(出典:角川春樹著「合本俳句歳時記」、角川春樹事務所、1998年刊)
・中国の新型肺炎ウイルスの死者は54人。中国本土以外では、13の国と地域で40人の感染者が確認されています。習近平指導部は新型肺炎対策で直属チームを設置して対策に懸命です。27日から全面的に中国から海外への団体旅行が禁止されます。日本への影響が心配されます。

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2020年01月25日

此の岸の淋しさ鮪ぶち切らる

加倉井秋を(1909~88)

鮪が冬の季語。びんなが、きはだ、鮪船、鮪釣も同意の季語です。
鮪はサバ科の魚で多くの種類があります。黒色のくろまぐろ、胸鰭の長いびんなが、目の大きなめばち、鰭が黄色のきはだなどが知られています。回遊魚で、およそ2メートルの体長、紡錘形をしています。定置網、一本釣り、銛などでとらえます。
この句の題は、「築地界隈」。「此」を「し」と呼ぶのは、彼岸に対する此岸のことで、現世の意味で用いられていて、殺生をして自らの生を養う人間の宿命を慨嘆しているからです。「ぶち切らる」は「淋しさ」の実感を強めていますね。
今日は、旧元日で春節。新型ウイルスの影響で中国人は世界から嫌われています。
作者かくらい・あきおの紹介は、2006年1月13日を参照。
(出典:大岡 信著「第五 折々のうた」、岩波新書、1986年刊)
・中国の保健当局は、新型肺炎ウイルスで肺炎の患者数が1287人以上、死者は41人になる、と公表しました。患者が確認されたのは中国のほぼ全土にわたる29の省や市などで、患者のうち症状の重い人は237人に上っていると言います。感染拡大防止に懸命の中国政府は、春節関連の行事を抑制しています。この1週間が勝負です。

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2020年01月24日

枯木星またたきいでし又ひとつ

水原秋櫻子(1892~1981)

枯木星が冬の季語。枯木、裸木、枯枝、枯木道、枯木山、枯木宿なども同意の季語です。
枯木とは、冬になって落葉樹の葉が落ちつくして、あたかも枯れ果てたような状態になった木のこと。この光景は枯一色の寒々とした感じがありますね。葉が落ちて幹や枝があらわになった状態を、裸木とも呼びます。枯木に比べてやや温かく強い感じがします。
この句では、冬の空の星を枯木星と例えて、その中でまた一つ星が瞬いている、と詠っています。これは冬木というよりも枯の感じが響いてきます。
作者みずはら・しゅうおうしの紹介は、2005年1月17日を参照。
(出典:「日本大歳時記」、講談社、1981年刊)
・中国は今日から春節。「新型肺炎」の広がりによって、中国政府は湖北省の武漢市を封鎖状態にしました。武漢市の人口は約1100万人、市民は移動制限を受けて自宅に封じ込められています。その効果は未知数です。しばらくの間は見守るしかありませんね。

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