[2005年05月15日]

俳句(2005-05-15)

明日は
胸に咲く
血の華の
よいどれし
蕾かな

高柳重信(1923~83)

無季にして、実験的な多行俳句です。
この俳句は、センチメンタルな響きをもっており、戦後直ぐの荒廃した社会情勢の中で、明日を信じて、自らを蕾のようなと形容する学生に歌い継がれたと聞いております。5行に分かれたそれぞれの言葉が一つになったとき、たとえようもない響きをつたえてくれます。今は蕾でも明日になれば、きっと素晴らしい花を咲かせてくれるはずと作者は歌います。1949年の作品です。
たかやなぎ・しげのぶは、東京小石川の生れ、早稲田大学在学中に「早稲田俳句」を創刊しました。戦後は富沢赤黄男に師事し、俳誌「太陽系」などに参加して、1958年に「俳句評論」を創刊し、いまでも刊行されている「俳句研究」の編集長のときに亡くなりました。俳句に新たな息吹を吹き込む様々な実験をしました。
(出典:長谷川櫂編著「現代俳句の鑑賞101」2001年刊、新書館)

投稿者 m-staff : 2005年05月15日 08:13

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